大型パネルの需給、2013年下半期は逼迫?

 大型パネルの需給は、需要予想を下方修正したにもかかわらず、依然として2013年後半から逼迫する可能性が高まっている。通常、1年後の需給逼迫が予期できる場合、パネルメーカーは能力増強投資を行うため、実際の需給逼迫期間は短期間で終わることが多かった。しかし、現在はパネルメーカーの収益状況は芳しくなく、資金的な余裕も乏しく、大型パネル生産能力の増強意欲は乏しい。むしろ、G6/G7/G8の大型ラインにおけるアモルファス・シリコンから酸化物半導体への転換、TN(Twisted Nematic)/VA(Vertical Alignment)からIPS(In Panel Switching)への転換、大型から中小型への生産能力割り当て変更など、大型パネル生産能力の減少要因となる動きがより顕著となっている。

 つまり、大型パネルの需給逼迫が2013年後半から2014年あたりに現実のものになる可能性は低くない。ただし、2012年4Q~2013年2Qは需要に対し供給能力に余裕があるため、パネルメーカーが造りだめ、もしくはセットブランドが買いだめするような状況となれば、話は別である。また、需要面のリスクもある。タブレットPCが市場を席巻し、NBやモニターはおろか、TV需要にまで大きな影響を与える場合などが指摘できる。NB、モニター、TVなどの既存製品の販売が全てYOYでマイナスになるような事態となれば、当社想定のパネル面積需要の前提も変わってくる。そうなるか否かの判断を、この年末商戦の動向を詳細に観察、分析したうえで再度行う予定である。