2012年8月のシリコン・ファウンドリの業績を見る。前工程では、台湾Taiwan Semiconductor Manufacturing社(TSMC)が連結ベースで494.97億NTドルを叩き出した。対前年同月比(YOY)で+2.0%、対前月比(MOM)でも+2.0%と、良好な内容。8月も過去最高売上高を更新した。上振れの要因は2.75Gと3Gスマートフォン向けチップである。第3四半期(3Q)ガイダンス達成に必要な9月売上高は380億~400億NTドル(MOM-23~-19%)と超過ペースだ。

 ドイツ銀行では、3Q売上高を対前期比(QOQ)+7%と予想し、ミッド~ローエンド・スマートフォン向け需要が想定よりも強く、予想値に対し上振れ余地が+2~+4%程度あると見ている。4Q売上高は、顧客の在庫調整の影響を受けるものの、28nmプロセス製品需要は引き続き堅調、ハイエンド・スマートフォン向けの需要増が期待できるためQOQ-4%~-5%と予想。売上高は13年1Qを底に2Qから回復局面に入ると予想する。

 3Qの売上総利益率は、28nmの売上比率上昇(28nmの収益性は、量産後2年弱程度で全社平均粗利水準に到達する見込み)と稼働率の低下により、QOQで1.3%ポイント低下の47.3%と予想。しかしながら、同社は(1)先端プロセス製品のラインナップ完備、(2)強固な顧客層(主要ファブレス、IDM「Integrated Device Manufacturer:垂直統合型のデバイス・メーカー」の大半が顧客)から、調整の期間も短く(13年1Qで終了)、深度(ボトムは13年1Qの売上総利益率43.3%、営業利益率30.3%)も浅いとみている。