私がEV(電気自動車)の「LEAF」に乗り始めてから1年と3カ月が過ぎる(関連記事その1その2)。もう、EVを運転することが生活に溶け込んでいる。幸い、今までに運転途中でバッテリー切れになった経験はないが、残りの走行可能距離が14マイル(22.5km)しかない状態で自宅に到着したことはあった。今では、LEAFの距離制限が身についてきたように思う。

 LEAFを購入して分かったのは、EVの整備コストがガソリン車よりも低いことだ。これまでに2回ほど整備に出したが、基本的にタイヤのローテーションとバッチリー・チェックだけで済んでいる。次回は車内のエアフィルターを交換する予定だ。カリフォルニア州でガソリンの価格が上がったこともあって、ランニング・コストはガソリン車よりもかなり安くなっている(初期購入費は比較的高いが)。米国の消費者にこの良さをアピールするのは難しそうだが、ぜひ日産自動車には頑張って欲しいものである。

105台以上のLEAFが集まったサンフランシスコ市内のEV関連イベント
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シリコンバレーはEV中心地?

 2011年7月にLEAFを購入した時と比べると、シリコンバレー近辺の道を走るLEAFや米Chevrolet社の「Volt」(関連記事)が増えている。トヨタのプラグイン・ハイブリッド車(PHEV)の「Plug-in Prius」(関連記事)は走っている時に一般のPriusと区別しにくいが、話を聴くとPlug-in Priusの台数も多いそうだ。公用充電設備でPlug-in Priusを良く見かける。

 数はまだ少ないが、たまには米Tesla Motors社の「Roadster」(関連記事)や三菱自動車「i-MiEV」(関連記事)、米Fisker Automotive社「Karma」(Tech-On!関連記事)も見かける。最近販売が開始されたTesla社の「Model S」(関連記事)も2度見たこともある。

 2012年9月時点で、カリフォルニア州政府と関連している米非営利団体California Center for Sustainable Energyによると、カリフォルニア州で販売されたEVは約1万2000台で、全米で販売されたEVの35%に当たる。しかもカリフォルニア政府団体Bay Area Air Quality Management District(サンフランシスコ湾周辺地域の空気汚染を管理する)によると、カリフォルニア州内のEV登録の4割はサンフランシスコ湾周辺である。サンフランシスコ湾周辺のLEAFのオーナー・クラブ「San Francisco BayLEAFs」が提供しているFacebookページの会員数は、2012年10月4日時点で271人だ。同クラブの規模は世界一だと言われているので、シリコンバレーはもしかしたら世界のEV中心地なのかもしれない、と筆者は思っている。