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 WLCSP(wafer-level chip-scale package)は、2010年に接続デバイスの標準的なパッケージとなった。ウエハー関連のサービスやダイなどのサービスとテストを含めると、2011年の世界市場の規模は15億米ドルを超えている。携帯電話機やタブレット・パソコン(PC)に使用される接続デバイスなど特定の分野においては、価格の安いパッケージとしてQFN(quad flat non-leaded)パッケージやBGA(ball grid array)パッケージに取って代わり、現在では、ほぼ100%がWLCSPとなっている。しかし、その他の分野においてはWLCSPはあまり使われていない。それはなぜか。理由は、プリント基板(PCB)とのピッチ(距離)の狭さにあるようだ。その他の分野では、より大きなピッチが必要とされるからだ。

 それでもWLCSPは非常に人気のある手法で、2010年から2016年の間の年間平均成長率は12.6%と予想されている。MEMSセンサと画像センサの年間平均成長率が25%、CMOS ICとアナログICが7%だ。少なくとも250億個のWLCSPデバイスが2012年に出荷される予定で、その中でもBluetooth/Wi-Fi/FMのコンボ・デバイスとCMOSイメージ・センサ、そしてDC-DCコンバータが最も数多く出荷されるだろう。

 フィンランドNokia社はかつてOEMにおける世界のリーダーで、WLCSPの最大の支持者だった。準大手のOEMはWLCSPを避け、より安価な組立ラインに載せられる大きなパッケージを好んでいた。では、今では誰がWLCSPの採用に熱心なのだろうか。それは米Broadcom社だ。同社は、2010年に30万枚のWLCSPウエハーを出荷し、台湾ASE社と韓国Nepes社、台湾SPIL社、シンガポールSTATS ChipPAC社、そして現在では台湾TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing社)と協業している。同社のWi-Fiコンボ・チップの多くが米Apple社のiPhoneやiPad、iPod、そして米Motorola社の製品に用いられている。