前回は、変えるべきところは変えていない、守るべきところは守っていないことで、Facebook型の中国SNSサイトは、中国のSNS競争では、脱落したと紹介した。今回は、中国のSNS競争で勝ち抜いた中国SINA社(新浪)のSNSサイト「新浪微博」と中国Tencent Holdings社(騰迅)のSNSサイト「Tencent QQ」(以下、QQ)について紹介する。

 中国で広く普及していた新浪微博とQQをみれば分かるように、Facebookは中国に進出しても、発展する余地はもうないのではないかと思う。

中国の「窓口」である微博

 微博とは、中国語(ウェィーボーとの発音)でマイクロブログの意味である。基本的な機能として、メッセージ機能、プライベート・メッセージ機能、コメント機能、返信機能などが含まれている。

 先日、中国で行われた反日デモに関する現場の情報、そして活発な議論は微博を通じて、いち早く世界中に知られた。現在、最も素早く中国の動きを確認できる中国のメディアは間違いなくこの微博だ。

 新浪は約4年前に、Twitterの中国版のようなもの、すなわち、いわゆる微博として新浪微博を開設した。中国で最も影響力を持つポータルサイトという触れ込みで、各分野の「有名人」の参加を獲得し、「有名人」の知名度と話題性を生かして、中国で一気に人気を博した。

 その後、中国の4大ポータルサイトとされる新浪以外の3社〔中国Sohu.com社(捜狐)、中国NetEase社(網易)、Tencent〕が追随して、相次いで微博を開設し、新浪との激しい競争を展開。その結果、いわゆる微博の知名度と影響度をさらに高めた。その中で、新浪微博の優位性には変化がなく、実際に一人勝ちの様相を呈した。現在、中国で微博と言えば、一般に新浪微博を指す。