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ハードの進化を主導し始めたデータセンター

竹居 智久=日経エレクトロニクス
2012/10/01 10:09
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 「え、CEATEC号の特集にそのテーマ?」──。内輪の話で恐縮ですが、『日経エレクトロニクス』の2012年10月1日号に掲載した特集「データセンター協奏曲」の企画段階では、こんな声も上がっていました。

※日経エレクトロニクスの編集部内では「CEATEC JAPAN」の開催期間中に弊社のブースで配布する号をこのように呼んでいます。

 例年、CEATECで大々的にアピールされる製品は、テレビやスマートフォンなどのデジタル民生機器です。日経エレクトロニクスでも、そうした機器にかかわる方々にCEATEC号でアピールすべく、デジタル民生機器関連の特集を掲載するのが慣例になっていました。

 「その号で、あえてデータセンター関連技術をテーマにしたい」と考えたのは、データセンターがエレクトロニクス業界の変化を象徴していると感じていたからです。

 データセンター内のサーバーには、低価格なパソコンと似たハードウエアが使われることが多くあります。恥ずかしながら筆者は、データセンターは“枯れた”技術を使う場だと思っていました。しかし、そこにはパソコンとの大きな違いがありました。ハードウエアの最終的な使い手が、メーカーの協業相手として名乗りを上げていることです。

 この特集記事の冒頭でも紹介したように、大手SNS事業者の米Facebook社は、2011年に設立した「Open Compute Project」を通じて、自社が要求するサーバー・ラックやサーバー用マザーボードの仕様を公開しています。そのOpen Compute Projectには、サーバーや関連部品などのメーカーが多数集まっています。大規模なインターネット・サービスを提供し、自ら巨大データセンターを運営する事業者が、データセンターの技術進化を主導し始めたのです。

 将来のサービス拡張やユーザー数の計画を持つインターネット・サービス事業者の希望は、より低コストで将来のサービス計画を実現することです。使い手だからこそ、データセンターの電力や運用に掛かる費用、ハードウエアの導入に掛かる費用などのコストと、新しい技術を導入する効果を総合的に見ながら、技術の可能性を判断できるのです。技術を孵化させるのに最適な協業相手といえそうです。

 民生機器を進化させてエンドユーザーに新しい使い方を提示していくことももちろん重要ですが、年々、それが難しくなっているように感じます。その一方で、データセンターのように、使い手が新しい技術の登場を強く望んでいる分野も多くあります。そうした分野に興味を持つ人を少しでも増やし、そこで日本のエレクトロニクス関連メーカーに活躍してもらいたい──。CEATEC号を通じて、筆者のこうした思いが伝われば幸いです。

 「データセンターを進化させる技術はソフトウエアが中心。日経エレクトロニクスには合わないのではないか」。企画段階では、こんな不安もありました。いざ取材を進めてみると、直流給電や不揮発性メモリの活用、Ethernetの高速化、マイクロプロセサの電力効率向上など、データセンターを支える各種のハードウエアが急速に進化している様子が浮かび上がりました。ぜひ、お手に取ってご覧ください。

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