グローバル製造業のための3次元データプロセス改革
目次
-
第13回:低コストかつ高付加価値製品で生き残る(1)
XVLの特徴である軽量性を生かして、設計部門のDRに加えて製造現場をも巻き込んだDRを展開している企業の例に、IHIグループの新潟原動機がある。ニコンも、組織的なDRの実行に取り組んでいる。トヨタ自動車では、大容量の自動モデルでの干渉やクリアランス問題の解決に、このDRシステムが活躍している(もと…
-
第12回:バーチャル・デザインレビュー(2)
前回(第11回)は、3次元データを活用した開発プロセスにおいて重要な役割を果たすバーチャル・デザインレビュー(以下、バーチャルDR)を取り上げ、特にバーチャルDRの概要について紹介した。それを受けて、今回はバーチャルDRの導入やレベルアップのポイントについて述べる。
-
第11回:バーチャル・デザインレビュー(1)
バーチャル・デザインレビュー(バーチャルDR)は、3次元データを活用した開発プロセスにおいて重要な役割を果たす。そのバーチャルDRにおいて、その意味は何か、どう進めるのばよいか、何をチェックするかについて解説する。
-
第10回:グローバル生産を支援する工程検証(下)
本連載第9回では「設計と生産技術部門のすり合わせをどう実現するか」をテーマに、軽量3Dフォーマット「XVL」を用いたデジタル・エンジニアリングの活用手法を紹介した。今回はその実例として、三菱農機、トヨタ自動車、KCMの実例を紹介していきたい。
-
第9回:グローバル生産を支援する工程検証(上)
設計部門と生産技術部門が、早い段階で設計モデルと工程を擦り合わせることができれば、製造工程で起こっていた問題も設計段階で修正できる。これを支援するのがデジタルモデルを使った工程設計と、その工程を検証するデジタル・エンジニアリング・ツールである。ところが既存のDMUシステムを調べてみると、[1]デー…
-
第8回:グローバルで勝てる開発プロセスの構築(2) ―開発プロセス改革における“勘どころ”
グローバルな競争に勝っていくためには、製品開発において、従来以上に開発設計部門以外のメンバーや海外拠点のメンバーの知恵を結集しなければならない。そこで有効な手段となるのが、3次元データの活用である。しかし、一部の先進的な企業を除き、その取り組みはしばしば不十分なものになってしまいがちである。そうし…
-
第7回:グローバルで勝てる開発プロセスの構築(1) ―失われた20年における開発プロセスのレベルアップ
製品開発プロセスについて振り返ってみると、この20年間でさまざまなレベルアップがあったのは間違いない。しかしながら、この点に関してはあまり言及されることがない。どのようなことがレベルアップでき、どのようなことが思うようにいかなかったのか。そして、その原因は何か。これらを把握した上で、今後の課題に立ち…
-
第6回:開発プロセスの構築(2)-ITを応用した3つの打ち手
製品であろうと部品であろうと、日本のすり合わせ能力に合致するものはエレキ部品だけのモジュラー製品ではなく、エレキとメカの両方の要素をすり合わせて実現する製品であろう。そのためには、エレキCADとメカの3D CADの設計モデルを統合してエレキとメカ双方の観点から設計を検証し、その優位性を高めることが…
-
第5回:開発プロセスの構築(1)-差異化に向けた3つの視点
21世紀に入り、日本の製造業には2つの大きな罠が待っていた。1つはガラパゴス化の罠であり、もう1つはコモディティ化の罠である(図1)。今回と次回では、この罠をいかに避けて、グローバル化の時代に、あえて日本国内で設計し製造する拠点を置くなら、どうすべきかを論じてみたい。
-
第4回:グローバル化の過渡期にある製造業の課題 (2/2)
「各製品の材料費や加工費のコストダウンと、製品、部品、工程の種類に起因する段取費や管理費のコストダウンは相反する傾向にあり、統合したコストダウンの実施が難しい」。これは、ある機械部品メーカーの開発管理部の部長によるコメントである。このような悩みを持つ企業では、モジュラーデザインの取り組みを始めている…
-
第3回:グローバル化の過渡期にある製造業の課題 (1/2)
海外の拠点にどの情報を、どこまで見せるか。このような問題に頭を悩ませている企業は多い。正解が単純に得られない理由の1つは、製造業のグローバル化が過渡期にあり、拠点の役割が急速に変化していることであろう。 今回から次回にかけて、グローバル化への過渡期にある製造業各社がどのような悩みを持っているか、開…
-
第2回:擦り合わせ型ものづくりをITで支える
ITに関して、設計を支えるPLMシステムや、調達や製造を支えるERPシステムなどのように、全社システムの統合が理想だと考える人も多いだろう。しかし、多岐にわたり日々変化する業務プロセスにマッチした、巨大なシステムを開発するのは現実的ではない。ならば、日本の“現地現物”という文化に合ったIT、ものづ…
-
第1回:プロセス改革のゴールとしての理想的国際分業
今こそ、企業は生き残りをかけてイノベーションに挑戦し、世界で勝てる製品を開発すべきだ。企業を支えるイノベーションは2つある。製品そのものの機能や性能、ビジネスモデルで差別化するプロダクト・イノベーションと、安価に品質の良いものを短納期で提供するための業務手法を革新するプロセス・イノベーションである。…