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海外工場の現地従業員と良好な関係を築く手立てはあるか

高田 憲一=日経ものづくり
2012/09/21 07:00
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 2012年7月にスズキのインド工場(マネサール工場)で暴動が発生し、インド人の管理者が1人亡くなり、日本人幹部を含む約90人が負傷しました。反日デモで緊張が続く中国でも、2010年に中国の日系自動車部品産業でストライキが頻発し、現地の日系自動車組立工場などが操業停止に追い込まれています。いずれも海外で工場を運営することの難しさを象徴していると言えるでしょう。現地の従業員と良好な関係を築く方法はないのでしょうか。2011年10月に日経BP社から発行した書籍『新興国に最強工場をつくる』(佐々木久臣著)にヒントがあります。

 著者の佐々木氏は、いすゞ自動車の生産担当の元・専務取締役で、日本はもちろん、欧州や米国、中国、ASEAN加盟国などで、経営者や指導者として実際に工場を運営してきた方です。 同書では「我々日本人と現地の人々が互いに尊敬し合う人間関係を築かなければならない」と指摘しています。こうした関係を構築できればストライキを避けることができます。つまり「尊敬し合う人間関係」が、在るべき姿となります。しかし、この在るべき姿をいかにして実現していくかという具体的な方法がなければ、机上の空論になってしまいます。

 佐々木氏は「尊敬し合う人間関係」を構築するには、結局「『良い製品』を造り、そこで生まれる成果と収益を現地の人たちと分かち合う」(同書)ことが必要だと説きます。その出発点は従業員による改善活動を定着させることだと指摘します。改善活動によって工場の競争力を高めることにより利益が上がり、その利益を分け合うことで尊敬し合う人間関係を構築していくわけです。その具体的方法は同書で詳しく紹介していますが、出発点として重要なのは、採用活動だといいます。「日本人がよくする間違いは、『改善は今や世界共通語になっているので、いちいち細かいことを言う必要はないだろう。採用してから進め方を伝授し、教育していけばよい』と考えてしまうことだ」(同書)。しかし、これがうまくいくことはほとんどないそうです(Tech-On!関連記事)。

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