聞いていた欧陽春くん、「いやあ、オトコの更年期ですか、初めて聞きました。中国では、社長が円満に交代するなんて、ほとんど聞いたことはありません。企業も、急成長してすぐに急降下するように、まだまだ安定している会社が少なく、要するに歴史が浅いのでしょう。日本の中小企業は、歴史もあり、同族経営が多いのも特徴かもしれませんが、経営者の悩みも特徴的ですね。歴史があれば、それだけの時間軸の中で、これまた色々な悩みもある。それが人間の身体と同じように更年期障害という、成長とともに現れる症候があるなんて、すごく勉強になりました。今、中国では政権の中枢で、すさまじい権力闘争が繰り広げられていますが、まさに、生きるか死ぬか、更年期障害が現れる前に終わってしまう、そんな感じです。日本のように、のんびりと言ったら失礼ですが、穏やかに交代するようになればいいのですが。今回のお話のように、更年期障害くらいの症状がいいですよね」。

 ははは、欧陽春くんには、褒められているのかけなされているのか、よく分かりませんが、考えてみると更年期障害は、ある程度の時間軸がないことには、確かに、現れる症状ではありません。ですから、そういう意味では、良い会社の男気の強い経営者に特有な症状であるのかもしれませんヨ。

 アスパラが、「オトコの更年期ですか。ボクも出世して社長になったら、きっとそうなるのでしょうね。しかも、ボクは一生懸命にやるタイプですから、そうなった時には、かなり深刻な症状になるのでしょうね。案外、寝込んだりして…」。

 聞いたお局が、「だからアンタはバカなのよ。アスパラが社長になるわけ、絶対にないわよ! だから、更年期になる経験も絶対にないの! もしもアンタが社長になったら、この会社はそれでおしまい。更年期どころか、本当の病気になってしまう!」。

 ははは、いつもお局の言うことはズバリそのもの。まさに歯に衣を着せぬ、ですヨ。しかし、今夜はいつもと違って、激辛です。ひょっとして、お局も更年期?…。

 「なんですって次郎さん、聞こえたわよ! アタシが更年期ですって? 次郎さん、上等じゃない、それってどういう意味? レディに対して、よくもそんなこと言えるわねぇ!上等じゃない、じゃあ、その更年期の女性の一気飲み、受けてもらうわよ!さあ、乾杯!」って、くわばら、くわばら、お局の一気飲みに付き合って、まともに家にたどり着けた者は未だにいないのですヨ。

 …この結果は、またお知らせしま~す。