米Apple社(アップル)の新型スマートフォン、「iPhone 5」が日本時間2012年9月13日未明、ついにお披露目された。
アップルは2012年1月13日に更新した「サプライヤー責任情報」(Supplier Responsibility)で、「アップル Suppliers 2011」としてサプライヤー156社のリストを初めて公表した。ただ、供給内容については明らかにしていない。それは、今回発表されたiPhone 5についても同様だが、発表から一夜明けた9月13日付の台湾各紙は、台湾系の主要サプライチェーンと供給内容について、競い合うように報じた。
そのうちの1つである『Apple Daily』が、大和証券アジア科学技術産業研究部の陳慧明主管の分析として紹介したのは、電子機器受託生産(EMS)世界最大手の台湾Hon Hai Precision Industry社〔鴻海精密工業、通称:Foxconn(フォックスコン)〕をはじめとする11社。うちアセンブリはフォックスコンと、PC大手、台湾ASUSTeK社(華碩)の製造部門から独立したPegatron社(和碩)の2社が受注したとしている。
フォックスコンとPegatron社の受注比率については、台湾の経済紙『工商時報』(同月11日付)が、Citigroup Global Markets Taiwan社(花旗環球)の張凱偉アジア太平洋下流ハードウエア産業主席アナリストの分析を伝えている。それによると、2012年第3四半期のiPhone出荷台数について張氏は、フォックスコンが2500万台、Pegatronが500万台だと分析。フォックスコンの内訳は、iPhone 5が1800万台、iPhone 4Sなどそれ以前のモデルが合わせて700万台だとの見方を示した。
張氏はさらに、フォックスコンが2011年8月に新設した中国河南省鄭州工場でiPhone 5のアセンブリを行っていると指摘。iPhone 5生産対応のために、同工場では従業員数を2012年6月の15万人から、同年9月には20万人、同年第4四半期には最低25万人にまで増員する予定だとしている。
ひと口に25万人といってもなかなかイメージが湧き難いことだろうが、東京なら墨田区や府中市の人口とほぼ同じ、関西なら寝屋川市や宝塚市よりやや多いという規模だ。台湾の業界筋によると、従業員が10万人だった2011年の時点で鄭州工場では1日20万台のiPhoneを生産。20万人に増やす2012年にはこれを40万台まで引き上げることを計画していたといわれるが、実際にはこれを上回るペースで従業員と生産台数を増やしているようだ。