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 風力発電市場をけん引しているのは主に中国である。中国は、潜在的な風力発電能力が高く、2010年と2011年に新たに設置された風力発電タービンのうち、約半数が同国に設置された。中国は自国で使用するエネルギーを可能な限り自前で供給したいと考えているため、この割合は将来的にさらに増えそうだ。

 3年前にはゼロだった中国の風力発電タービン・メーカーも現在は存在し、さらに世界のトップ・メーカー5社のうちの3社が中国に存在する。自国にタービン・メーカーがしっかりと存在するようになったため、中国は自国での経験をもとにして、外国が風力発電システムを設置する手助けをする構えだ。このことは、欧州や米国の大手タービン・メーカーとっては試練となるだろう。

 今まで風力発電を行ってこなかった国・地域は、まずはタービンを陸に設置することを考えている。海上での設置よりも簡単でコストが低いためだ。米国と欧州においては、すでに陸上には十分な数のタービンがあり、海上における設置が求められている。海上では、風は陸上よりも強く、安定しているため、高出力タービンを設置して、高効率の発電が可能になる。しかし、そういったタービンに関しては、耐久性や信頼性に関して経験が不足している。