こんな意見もある。
「アメリカなどで派手な日本車のリコール騒動が続発していると聞いた。日本車を全車回収するといった騒ぎになっているとか。このような報道やうわさが日本車の安全性への信頼を傷つけているのでは」。福島原発の事故も一因という指摘もあった。「まさか技術の高い日本が」という驚きが「やはり日本はおかしくなってきているのでは」との推測を呼んでいるというのである。

 こうした風評ということに関して、ある中国人ジャーナリストが示した見解がちょっとした話題になっている。

 韓国の大統領が竹島に上陸したというニュースに関連して、「韓国でも日本に対するボイコット運動が盛んだ」との報道があった。「だから韓国では日本車が走っていないのだ」と。これに対して先の中国人ジャーナリストが、このように反論したのである。

 『中国では「韓国で日本車は全く走っていない。日本製品は韓国には全くない」と主張している人がいる。しかし、それは事実ではい。むしろ事実は逆だ。韓国の道路はトヨタのレクサスや日産のインフィニティ、ホンダなどの日本車であふれ返っている。一方、日本で韓国車を見かけることはない。しかし、決して日本人は韓国車の不買運動をやっている訳ではないのだ』

 多くの中国人は、日本や韓国に行ったことがない。だから、中国では、どんな報道がされるかで世論が大きく動いてしまう。かつては、共産党や政府に近い筋の報道が表の報道として強い影響力を持っていた。しかし徐々に、「政府報道は信じられない」と思う人が増えたのか、口コミ情報が重要視されるようになってきた。ネットの普及でそれが加速し、いまや政府も抑えきれない程の力になっている。