台湾AU Optronics(AUO)社の2012年7月の売上高は、304億4100万新台湾(NT)ドルと、対前年比(YOY)、対前月比(MOM)とも減収(YOYで2.3%減、MOMで6.0%減)。連結ベースの売上高も317億1900万NTドルと、YOY、MOMのいずれも減収(YOYで3.1%減、MOMで5.1%減)となった。同年1~7月の累計の連結売上高はYOYで7%減だった。

 大型パネルの出荷数量は、1億400万枚とYOYで5.8%増、MOMで9.7%減。同社の稼働率は緩やかな改善基調が続いており、第2四半期(2Q)のガラス基板投入量は、対前四半期比(QOQ)で約16%増だったとみている。直近の同年6月には、中国ブランドからの需要が一服した上、地震の影響などで一時的に稼働が低下した。第5世代/第6世代(G5/G6)工場への影響が大きかったため、同年7月の出荷に対しては、ノートブック(NB)向け、モニター向けに加え、一部テレビ(TV)向けで影響が出た。基板投入量は同年7月に入って再び回復し、3QはQOQで約8%増と見込まれる。

アプリ別でも総じてMOMで減少傾向

 2012年7月の出荷は、モニター用パネル全体でMOMで2割減、同年1~7月の累計ではYOYで1割弱減と弱含みの推移が続く。NB用(一般のNBとNetbookの合計)は、MOMで1割弱の減少、同年1~7月の累計ではYOYで15%増と他社をしのぎ続けている。タブレット向けは30万~32万枚とMOMで横ばい。米Apple社向けの供給を行っていないため、絶対水準は依然低い。同年8月から出荷が始まるとみられる「iPadMini」(7.85インチXGA)の動向に注目したい。TV用については、推定合計出荷数量が2300万枚と、MOMで2割減。同年1~7月の累計はYOYで8%減とマイナス圏が続く。

 新サイズの39インチは台湾Chimei Innolux(CMI)社に遅れようやく量産を開始したところであるが、同年4月の7万枚から、同年5月は13万枚、同年6月は19万枚、同年7月は24万枚と急増中。向こう数カ月の生産は20万枚/月から25万~30万枚/月に引き上げる勢いだ。G7.5工場で生産する新サイズの50インチについては、同年4月の3000~5000枚、同年5月の2万枚、同年6月の4万枚から、同年7月は10万枚に到達。現在引き合いが強いことから生産は15万枚超/月へ増加するとみられる。

 なお、同年7月の中小型の出荷数量は1億1800万枚と、YOYで24.6%減、MOMで17.8%減だった。同年1~7月の累計出荷数量はYOYで17%減だった。