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Lenovo、国際企業への軌跡(1)

永井麻生子=おあしすランゲージラボラトリー代表
2012/09/03 00:00
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今回紹介する書籍
題名:再聯想:聯想国際化十年
著者:張小平
出版社:機械工業出版社
出版時期:2012年1月

 ここしばらく、台湾Hon Hai Precision Industry社(鴻海精密工業、通称Foxconn)のシャープへの出資が注目を集めている。振り返ると、「東アジアの新興ハイテク企業による世界的有名企業の買収」というニュースを最初に我々に提供してくれたのが今回取り上げるLenovo社(聯想集団)だ。Lenovoが米IBM社からPC(パソコン)部門を買収したのは2004年のこと。当時、このニュースは大変な驚きを以て世界に受け入れられたが、その後、中国ネット通販の雄Alibaba.comによるYahoo! Chinaの買収など、こうした買収は決して珍しいことではなくなっている。余談だが、筆者が数年前に上海で会った人物も「知り合いが日本企業に出資したがっているのだが、どこかいいところがあれば紹介してほしい」と話していた。

 本書の解説に入る前に簡単にLenovoの紹介をしておこう。同社グループの公式サイトによると「売上高300億米ドルの個人向けハイテク商品メーカー、160カ国以上に拠点を持つ。世界第2のPCメーカーで「フォーチューン」誌で世界の500企業にランクイン。1997年以来中国内での売り上げ1位を守り続けており中国のPC市場のシェアの3割を占めている」。社員は全世界で2万7000人に上る巨大メーカーだ。歴史を振り返ると1984年に創業者の柳伝志氏が10人のコンピューター技術者とともにPCの改良の必要性を感じ北京の片隅で起業したのが始まり。その当時、中国語の社名は「聯想」、英文名は「Legend」だった。しばらくはブランド名をLegendとしていたのだが、国際化に伴い、進出先の国ですでに同じ名のブランドがあったことなどもあり2003年ブランド名を「Lenovo」と改称した。

 本書は2000年から2011年までのLenovoの国際化の歩みを3期に分けて解説している。同書によれば2000年から2004年が第1期。この時期には「夢をはぐくむ」というテーマがつけられている。この時期のキーワードは「双模式」。企業向けと個人消費者向けのマーケティング手法をはっきりと分け販売活動を行っている。同社では業務形態を「関係型」と「交易型」にわけ、前者は官庁、教育機関、金融、電信などの組織対象とした業務形態とし、後者を家庭、中小企業向けの業務形態としている。それぞれの特徴は、「関係型」が一商品の取引量が多く、継続的に購入してくれるが、求められるシステムなどは複雑であり、顧客はLenovoから直接商品を購入する形。主に個人向けの「交易型」はそれとは違い、顧客の数は多いが、1回当たりの販売数量は少なく、継続的な購入も少ない。購入方法もLenovoから直接買うのではなく代理店などを通じて購入する。同社がこの2つの販売形態を採用するまでには米Dell社との熾烈な戦いがあった。

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いずれも10:00~18:00
会場:京王品川ビル セミナールーム(東京・品川)
主催:日経テクノロジーオンライン
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