前工程ではTSMCがMOM+12%

 台湾の大手Siファウンドリ4社のうち、前工程ではTaiwan Semiconductor Manufacturing社(TSMC)が連結ベースで485億2500万NTドルと、対前年比(YOY)+37.0%、対前月比(MOM)+11.7%の二桁増収と、ドイツ銀行グループ(当社)予想(MOM+4~+6%)を超える良好な内容だった。7月は過去最高売上高を更新した。第3四半期(3Q)の事前予想の達成に必要な8月と9月の売上高は437億~447億NTドル/月(MOM-10~-8%)である。

 3Qにおいても28nmプロセス需要については引き続き強含みの推移を見込むが、その他は主要最終製品の需要停滞を反映し、発注に修正がかかっていく可能性が高い。当社では3Qの売上高をQOQ+7%と予想している。3Qの稼働率を102%、顧客の在庫調整によって4Qには88%へ低下するとみる。2013年1Qを底に28nmプロセス製品の需要が牽引役となって1Q中旬から受注は回復し、2Qの稼働率を94%と予想する。売上高総利益率は、28nmの売上高比率の上昇(28nmの収益性は量産後2年弱程度で全社平均粗利水準に到達する見込み)と稼働率の低下によって、対前四半期比(QOQ)で1.3%ポイント低下の47.3%と予想している。

 しかしながら、同社は1)先端プロセス製品のラインナップ完備、2)強固な顧客層として主要ファブレスやIDM(integrated device manufacturer、垂直統合型のデバイス・メーカー)(大半が顧客)を抱えていることから、調整期間は短く(2013年1Qで終了)、深度(ボトムは2013年1Qの売上高総利益率41.4%、営業利益率28.5%)も浅いとみている。