Facebookの特徴とは

 単純に友達を作って交流するといったような機能からみれば、そのようなSNSサイトは中国でも多数存在する。中国のFacebookであると表明したSNSサイトも少なくない。では、なぜ、それらはFacebookと似ているのに本当の中国版Facebookといえないと私は考えるのか。ここでは、まずこの点について述べよう。

 そもそも、Facebookに相当するかどうかは、どう判断すべきだろうか。アメリカでも元々、「Myspace」など多数のSNSサイトが存在していた。その中で、最後に成功したのがFacebookだ。その最大の成功要因は、オープン・プラットフォームと実名制といわれる。

 Facebookのプラットフォームでは、主に個人情報の管理に使うProfile、Privacy Managementのサブシステムと、主にコミュニケーションのために利用するInstant Messenger(IM)、Mail、Feed、Shareといったサブシステム、および各種のアプリケーションを管理する。プラットフォームは、以下の2つのレベルでオープン化されている。

 1つは、インタフェース・レベルでのオープン化だ。Facebook向けアプリケーションの開発に利用できるAPI(Application Programming Interface)群「Facebook Platform」を開放することで、第三者が開発した各種のアプリケーションを取り込み、第三者と共同でサービスを提供できる仕組みになっている。要するに、Facebookのプラットフォームは、Facebook向けアプリケーションの開発に利用できるソーシャル・プラットフォームという一面を持っている。

 もう1つは、プラットフォームそのもののオープン化である。Facebookのデータに外部ページからのアクセスを可能とする「Facebook Connect」を提供し、第三者のプラットフォームやサイトと複雑なプログラミングなしで簡単に接続できるようになっている。すなわち、Facebookのプラットフォームは、異なるプラットフォームやサイトとのデータ連携を可能とするソーシャル・プラットフォームともいえる。

 さらに、前述したように、実名制もFacebookの大きな特徴である。実名であるが故に、友達を探しやすいし、逆に友達として探されやすくもなるのだ。