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上海発・EMS通信

「メード・イン・チャイナの危機」を救うサプライチェーンと中産階級

  • 山田 泰司=EMSOne
  • 2012/08/20 00:00
  • 1/3ページ
旧フランス租界にある上海有数の繁華街・淮海中路に2012年1月オープンしたアディダスの上海旗艦店。生産は撤退したが、市場としての中国について同社は極めて重視している。
旧フランス租界にある上海有数の繁華街・淮海中路に2012年1月オープンしたアディダスの上海旗艦店。生産は撤退したが、市場としての中国について同社は極めて重視している。
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 2012年8月12日に閉幕したロンドン五輪。筆者の住む中国は金メダル獲得数、メダル総数ともに米国に次ぐ2位と健闘したのだが、今回の五輪では競技以外のある事柄でも注目を集めた。「中国製造=メード・イン・チャイナ」がそれだ。


 まず五輪開幕前の同年7月中旬には、米国の世界的デザイナー、Ralph Lauren(ラルフ・ローレン)の手がけた米国選手団の公式ユニホームが中国製であることが報じられ、米国では政界を中心に、なぜ米国製を使わないのかとの批判が起こった。さらに開会式当日の同月27日には、エジプト選手団に米Nike(ナイキ)社の偽ブランドが配られていたことが発覚した。例えば側面にナイキの特大ロゴの入ったバッグには、独Adidas(アディダス)社のロゴが刻印されたファスナーが付いているという代物。「半額で提供できる」という非公認業者の誘いにエジプトの当局者が乗ったことが原因だとされるが、ここでも偽ブランドの製造国が中国だということがクローズアップされて報じられた。


 ところで、アディダスといえば、偽ブランド騒動に先立つ同月17日、中国に唯一残していた江蘇省蘇州の直営工場の閉鎖を発表した。人件費の高騰に耐えられなくなったというのが理由で、今後の生産についてはミャンマーにシフトするという。


 さらに台湾の経済紙『工商時報』(2012年8月8日付)は、アディダスが広東省の珠江デルタ地帯に集中する約300社に上る生産委託パートナーとの提携も取りやめるとのうわさが市場や業界に流れていると報じた。やはり人件費の高騰による加工賃の高騰が理由で、委託加工業を主力としてきた広東省では、製靴や服飾、製鞄などアディダスと直接取引のある業者はもちろん、ノートパソコン(PC)をはじめとする電子機器の生産を手がけているエレクトロニクス業界でも、受託生産業者らの間に危機感が広がっていると指摘。アディダスの中国生産撤退は、人件費高騰や人民元高騰の状況を受け、「世界の工場・中国」「メード・イン・チャイナ」が本格的に見直される時期に突入したことを象徴するものとして、中国では業界をまたいだ議論に発展しつつあると伝えている。

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