台湾・中国の協力分野は、「パネル・LEDバックライト」から「スマートテレビ関連部品・ユニット」へと拡大

 2008年下期のリーマンショックを引き金とする世界同時不況が発生して以来、中国視像電子行業協会(CVIA:China Video Industry Association)は、台湾のパネル・メーカーとの協力関係を強化してきた。2009年以降、毎年6月に中国国内カラーテレビ主要メーカー8社を引き連れて訪台し、液晶パネルおよびLED製品の調達について商談するようになった。2011年には、協力分野はスマートテレビへと拡大。2012年はディスプレイ・パネルを中心に調達してきた他、半導体チップやLEDなどの関連部品も過去3年間にわたり調達を続けている(図1)。

 CVIAは、台湾からの年間調達予算額を2009年の43億米ドルから、2011年には55億米ドルに拡大した。この期間の実質調達比率は約80%に達した。ところが、2012年の調達予算額は45億米ドルに減少している。これは、パネル価格が急速に下落したことによる予算縮小が主な原因である。

 2012年は、海峡両岸(台湾と中国)のパネル産業での協力で生まれる商機について、注目すべき点が2つある。1つは、中国で“高世代”と呼ばれる第6世代以降の液晶パネル生産工場が2011年下期から量産体制に入り、主力となる32型パネルについて中国の一部カラーテレビ・メーカーへの供給が始まったこと。2つ目は、中国のカラーテレビ・メーカーがスマートテレビの生産に向け、じわじわと実力を蓄えつつあることである。ヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)からアプリケーション・ショップの研究開発に至るまで莫大な人材が投入されている。さらに中国市場での販売面における優位性を強みとして、中国のTCL Corp.、Hisense Group(海信)、Konka Group Co., Ltd.(康佳)が特に積極的な攻勢をかけている。

図1 最近4年間の中国におけるパネル調達予算額と協力範囲
出典:工研院IEK(2012年7月)
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