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HOMEスキルアップマネジメントブランドで攻める~日本発、中国へ。世界へ。 > 【ブランドの要諦:その6】「ソーシャル・ブランディング」-- ブランドが象徴する企業や製品の社会的正統性

ブランドで攻める~日本発、中国へ。世界へ。

【ブランドの要諦:その6】「ソーシャル・ブランディング」-- ブランドが象徴する企業や製品の社会的正統性

  • 岡崎 茂生=北京電通
  • 2012/08/06 00:00
  • 1/3ページ

合言葉は「国内品牌国際化」

 今、中国のビジネスオーナーたちの間で密かにキーワードとなっているのが「国内品牌国際化」です。国営・民営を問わず「世界の工場」としてもともと外国企業との合弁や海外向けOEM、あるいは国内市場向け低価格商品の製造からスタートした中国企業は、既にグローバル水準の製造技術やデザイン力を備えてきています。それに伴って、中国で生産・流通するあらゆるカテゴリーの商品のここ5~6年の品質とデザインの向上には目を見張るものがあります。そして今、中国のビジネスオーナー達は「事業発展のためには高付加価値戦略が必須で、そのカギを握るのは商品や流通以上にブランド力である。グローバル企業との差はその一点に尽きる」ことを十二分に理解しています。

 「これからはモノ作りよりブランド作りの時代」という認識は、中国でも以前からファッションや家具業界では存在しました。しかし、この流れを決定付けたのは、2011年に米国人俳優のレオナルド・デカプリオが主演したテレビ・コマーシャルで世間をあっと言わせた携帯電話機メーカーのOPPO社です。同社は広東歩歩高電子工業の子会社として2005年に設立され、当初はMP3、MP4、DVDプレーヤーを製造・販売していましたが、2011年にAndroidを搭載した携帯電話機の新機種「FIND」の市場導入を契機として、グローバルに通用するブランド構築に踏み出しました。

 「OPPO」ブランドは中国と米国で同時に商標登録されており、中国Lenovo社の「Legend→Lenovo」への英文商標変更をほうふつとさせます。巷では500万米ドルとも言われるギャラでデカプリオ氏の出演を取り付けた、フランスを舞台にしたミステリー仕立てのTVコマーシャルは多くの中国人の耳目を集めて「OPPO」ブランドのグローバルイメージを作るのに貢献しました。

 もう一つの面白い例が、中国で急成長している高級バッグブランド「POWERLAND」です。4月11日に北京で行なわれた彼らの新製品発表会で、オーナー(董事長兼CEO)の郭順元さんと直接お目にかかってお話しすることができました。「POWERLAND」(保兰德)は広州の企業ですが、エルメスやルイ・ヴィトンと見まがうようなデザイン、素材、仕上がりの高級バッグを2000元~5000元程度(1元は約13円)の手ごろな価格で自社ブランドショップで販売しています。ブランド表記は英語、広告には香港のトップ女優「李嘉欣」(読み方は「リージャーシン」注))を起用しました。

注)彼女が中国以外ではミッシェル・リーと呼ばれていることを中国人は知りません。中国では人名は外国人も含め全て漢字表記の上、標準中国語で発音されます。従って、ミッシェル・リーの写真を中国人に見せると100人中100人が「リージャーシン」と答えます。企業や商品名も同様ですから、アルファベット表記の海外ブランドを中国で使用する際に漢字でどう表記するかが最初の中国市場参入障壁となります。

 そして、チーフデザイナーには以前グッチ、フェンディ、トッズなどで活躍していたイタリア人デザイナーのFrancesco Turchi氏を招聘するなどの念の入れようです。さらに販路を自社ブランドショップに絞って広告やPRなどのコミュニケーション展開と連動させて統合的にイメージ作りと高付加価値戦略を実践しています。その結果、見事なまでに欧州風の高級バッグブランドの風情を醸し出すことに成功しているのです。

 「OPPO」「POWERLAND」の両者に共通するのが、中長期のブランドビジョンです。まず中国市場でグローバルブランドに匹敵するポジションを確立し、後にそのブランドコミュニケーション戦略とマーケティングを一体化させた事業モデルを持ってグローバル市場へ展開していくという戦略です。保兰德 集团は既にアフリカ、中近東、チリ、オーストラリアでビジネスをスタートさせています。翻って、日本企業のグローバル事業展開やブランド育成戦略はどうでしょうか。学ぶべきことは多いと思います。

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