テレビ用はG7.5パネルを中心に上昇

 テレビ用パネル価格はMOMで横ばいか若干の上昇。まず、32インチWXGAは125~129米ドルとMOMで2米ドル上昇。現在供給が最も逼迫しているG7.5で生産されている42インチ(FHD)は210~215米ドルとMOMで4米ドル上昇。

 テレビ用パネルも全体的に底打ち、一部のサイズでじりじりと値を上げている。テレビ用パネルの需給はサイズによって多少異なる。最も逼迫しているのが40/42インチなどG7/G7.5工場で生産されるパネル、逆に緩めなのが32インチなどG8工場で生産されるパネルである。

 価格低下により主流サイズが32インチから40/42インチに移行する段階に入りつつある一方で、40/42インチを効率的に生産できるG7/G7.5工場は韓国、台湾メーカーにしかない。台湾AU Optronics(AUO)社、台湾Chimei Innolux(CMI)社は50インチなどの新製品もG7.5工場で生産しているため、供給能力にも限りがあり、需給は逼迫度が高まっている。これに呼応して、パネルメーカーは2012年3月から40/42/46/47インチの小幅値上げを続けている。

 供給は中国メーカーのG8工場立ち上げで全体的には増加傾向が続いている。同年6月は中国BOE TECHNOLOGY GROUP社(京東方)で約100万枚、中国China Star Optoelectronics Technology(CSOT)社で約50万枚、中国Nanjing China Electronics Panda(CEC-Panda)社も20万枚程度の出荷が確認されており(うち32インチが150万枚と大半)、主にローカルブランド向け、およびSamsung Electronics社向けに中国勢のパネル供給が本格化している。一方で、台湾、韓国勢は他サイズへの振り分けや、CMI社の39/50インチに代表されるように新サイズへのシフトにより中国勢の攻勢をかわす動きが顕著となっている。中でも中国ブランド向けのシェアが最も高いCMI社が32インチの供給を事実上停止、AUO社も32インチの数量を激減させている。そのためか、中国パネルメーカーからの供給数量増にもかかわらず、32インチも需給は崩れていない。このように、供給側のパネルメーカー主導の需給均衡策がどこまで通用するか、注視を続けたい。