AUO社を引き離す

 2Q実績は、売り上げは想定線、利益は事前予想およびドイツ銀行グループ予想を若干上回った。まず、稼働率(95%)は想定線上だが、出荷面積(QOQで6%増)は事前予想(同10%増)を下回った。その結果、在庫はQOQで17%増加した。一方、ASP(QOQで6%増)はハイエンド製品比率の上昇で事前予想(若干上昇)を上回り、その結果、売上高は想定線上に収まった。

 ドイツ証券(以下、当社)想定の同社の2Qのガラス基板投入面積はQOQで5%増、3Qも同5%増と見ており同社のコメントに合致。

 利益面では、コスト削減(QOQで1桁台前半での減少)が事前予想の線上で進み、売上総利益率は11.1%とQOQで5.8%ポイントの改善し、2010年3Q(売上総利益率11.5%)以来の水準に回復した。同社は、今回の事業環境悪化局面で売上総利益ベースにおいては赤字に陥らなかった。営業損益は260億KRWの損失だが、反トラスト法関連の一時費用(2000億KRW)を除くと1740億KRW(営業利益率2.5%)の黒字となり、7四半期ぶりの黒字回復となる。一方、金利・税金・償却前利益(EBITDA)マージンは13.1%から15.0%へ改善。先に決算を発表した台湾AU Optronics(AUO)社(売上総利益率-3.3%、営業利益率-11.0%、EBITDAマージン9.4%)と比較するとかなり良好な内容。収益面ではAUOとの差を拡大させた。

 キャッシュフローも、減価償却費が1兆650億KRW、営業キャッシュフローが1兆8430億KRWと黒字を確保した。一方の投資キャッシュフローは1兆520億KRWとフリーキャッシュフローも黒字となった。