図4●設問46の解答
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 設問46は、シェル化の厚みを3mmから5mmに変更したとき、ソリッドがどのように更新されるかを考える問題である。ここでの注意は、前回の講義で解説したように、フィレットの半径や穴の直径とシェル化の厚みとの関係である。3mmから5mmに変更されると、「4.フィレット(半径5mm)」「5.フィレット(半径3mm)」で定義した稜線に対応する内側の稜線にはフィレットが定義されない(第2回の解説を参照)。また、プロファイル3の円の直径が10mmなので、その部位には厚み5mmを定義することができない。したがって、設問のように更新すると、図4に示す形状になる。よって、解答は[3]である。

 設問47は、プロファイル2の図形(長方形)を、その頂点に面取り5mmを定義した図形に置き換えて、ソリッドを更新すると、どのフィーチャでエラーが発生するかを考える問題である。プロファイルの図形を置き換えると、長方形の高さ方向の稜線が存在しないので、図5に示すように、CADでは、稜線が見つからないというエラーが表示される(図中の赤い破線)。そこで、定義の中から、それらを削除し、あわせて「5.フィレット」の定義を手直しすると、図6に示すソリッドに更新することができる。したがって、解答は[2]である。

図5●不明な稜線
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図6●手直し後のソリッド
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 設問48は、面Aをオフセットした形状に更新するために、「オフセット」フィーチャをモデリングプロセスのどの位置に挿入したらよいかを考える問題である。面Aをオフセットするためには、面Aを包含するソリッドが定義された直後を考える。この問題では、「2.押し出し」で面Aを包含する直方体が生成されるので、その直後に、図7に示すようにオフセットを定義すれば、図8に示すようにフィレットやシェル化を施してもエラーが発生しない。したがって、解答は[1]である。

図7●オフセット(厚み付け)
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図8●フィレットやシェル化を施した後のモデル
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 実務においては設計変更が頻繁にある。今回紹介した設問では、そのことを意識して問題が作成されている。言い換えると、3次元CAD利用技術者試験では設計変更に対応できるモデリング力を期待しているということである。