工場の片隅では、溶接が行われている。しかも驚いたことに、そこには単純ではあるがロボット型の溶接マシンが導入されていた。「このマシンも我々が独自に開発しました」と社長は言う。
 「日本に勤めていたことがあるエンジニアが中心になって設計しました。それぞれの部品は中国製です」確かに、自動溶接アームの先には中古の製造元が書かれている。社長の言葉を信じるならば、「オール・メイド・イン・チャイナ」だ。

 「日本の設備は使わないのですか」と聞いてみると、「日本の設備は、高額ですしメンテナンスもできません。難しいコンピューター制御もついていて壊れると直す事ができないのです。むしろ、中国製は単純で動きがはっきりしています」とのこと。日本の部品に関しても、「エンジン一つをとっても、日本製品は優秀です。できれば日本のエンジンを使いたいですが、そもそも日本のメーカーは売ってくれません。自動車メーカーにとってエンジンは命ですから」という。

 「われわれも一人前の自動車メーカーになるために、エンジンの開発に取り掛かったのです。全て自社製ではありませんが、部品は、全てメイド・イン・チャイナです」説明をしてくれたエンジニアは非常に誇らしげであった。