台湾の電子セクターにおける各製品分野の代表的企業41社の2012年6月売上高は対前年比(YOY)1.8%増、対前月比(MOM)6.3%増だった。

 最終製品では、薄型テレビ、パソコン(PC)、携帯電話機の全てのアプリケーションで需要が弱含む状況が続いている。バリューチェーン全体が2012年末に向けての製品需要を保守的に見積もっており、意図せざる在庫がたまりにくい状況ではある。しかし、先進国のみならず、新興国の一部でも為替レートの下落などによってエレクトロニクス製品の販売に逆風が吹き始めた。バリューチェーンがなかなかアクセルを踏めない状況が続いている。

次世代「iPhone」向けで6~8週の遅れ

 次世代「iPhone」向けでは、2012年4月からようやく液晶パネルのバリューチェーンが動き始めたものの、主要供給メーカーのうち一部はパネル出荷開始のタイミングが遅れそうな状況である。懸念されていたタッチパネルの「インセル型採用」が少なからず歩留まりに影響を及ぼしていると見られる。現時点では、年初想定の最速タイミングから合計6~8週間の遅れが生じる感触だ。

 リードタイムなどから勘案すると、最速スケジュールは、組立が8月開始、発売が9月下旬との見方に変更はない。ただし、初ロットの数量が前月想定よりさらに低くなる、もしくは発売時期が若干先送りとなるリスクが大きくなっていると判断される。このように、次世代iPhoneに関しては、需要面よりも供給面のボトルネックに注目すべきだ。パネル以外にも、供給不足のリスクがあると見られる部品が散見される。日本メーカーについては、日本では特に電子部品、電子部材分野において影響度が高い製品であるため、今後の動静を注視し続けたい。