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米Apple社製スマートフォン「iPhone」の購入時にアプリを有料のものを含めて大量にインストールしてくれるショップ
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購入時にROMの入れ替えも行う携帯電話ショップ

 さて、最近ではますますスマートフォンが普及してきている。移動体通信事業者(キャリア)の中国China Mobile社(中国移動、3GはTD-SCDMA方式)、中国China Unicom社(中国聯通、同W-CDMA)、中国China Telecom社(中国電信、同CDMA 2000)の場合、2~3年契約でスマートフォンを1000元(約1万3000円)以下の低価格、ないしは無料で入手できる。

 そうした中、流行に敏感な都市部の若者は、中国Huawei Technologies社(華為技術)や中国ZTE社(中興通訊)などの「そこそこのスペックのスマートフォン」から、米Apple社や台湾HTC社(宏達)、韓国Samsung Electronics社などの「速くて画面が大きい」製品が選ばれるようになっているように思う。最近、スマートフォンに新規参入した中国メーカーは、高速なCPUと大画面のディスプレイ(大画面でありながら精細さや頑丈さもアピールをする機種はあまり聞かない)を採用しながらできる限りの低価格を売りとしている。

 スマートフォンにおいても「OSを別機種のものに入れ替える」行為が横行していて、中国のポータルサイトですらそのイメージファイルが堂々と置かれている状況だ。従って、ソフト面に注力したAndroidのカスタマイズOSを出したところで、それがハードウエア販売の牽引力になるかというと微妙なところである。むしろ、より安価なメーカーの機種を導入して、カスタマイズOSだけを使われるだけ使われかねない。

 そうした状況を逆手に取り、Kingsoft社Board of Directors(会長)の雷軍氏が作った中国スマートフォン・メーカーXiaomi社(小米)のスマートフォン「小米手機」ではOSを公開し、「積極的に我が社のカスタマイズOSを導入して使ってあげてください」とアピールしている。小米に続いて、中国ネット企業各社がこの動きに追随し自前のスマートフォンをリリースしようとしている。無料で提供し、客を寄せて自前のサービスを使わせて金を取る。海賊版天国と揶揄される国のソフトベンダーは、彼らなりの手法で生き残ろうとしている。