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永井麻生子=おあしすランゲージラボラトリー代表
2012/07/16 00:00
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今回紹介する書籍
題名:六度人脈
編著:李維文
出版社:湖南文芸出版社
出版時期:2012年6月

 あなたは「スモールワールド現象」「6人の隔たり」という言葉を聞いたことがあるだろうか。「どんな相手でも知り合いをたどっていけば6人目ぐらいで出会える」という話は耳にしたことがあるかもしれない。いわゆる「世間は狭い」という現象だ。アメリカで1960年代にスタンレー=ミルグラムという心理学者が提唱した法則だという。

 今週から取り上げるのは、その「6人の隔たり」現象を中国語で紐解いた『六度人脈』。アメリカ在住の李維文というパブリシティの専門家が記した書物である。中国と言えば人間関係がものをいう国、良くも悪くも「関係(グアンシ=人間関係、コネ)」が重要だということは今や日本でも常識であろう。その中国人向けにアメリカ在住中国人の筆者が記した人間関係の構築法を読み解いていきたい。

 では、まず本書の構成から。イントロダクションの題名は「一人で頑張るな」、まえがきが「“6次”に勝利あり」。イントロダクションとまえがきが別についている例は中国の書籍でも珍しい。中国の書籍の場合、多くは「推薦文」というのがまえがきの前についていて著者の知人の著名人などが書いているのだが、本書では推薦文はなく、著者による「イントロダクション」「まえがき」の二つが付されている。これも、アメリカ在住のパブリシティ専門家らしさを強調する演出(他とはちょっと違うぞ!という感じ)なのかもしれない。本書は、重要な部分は赤字を用いたり、イラストや色ページを使ったりするなど、全体を通して編集の工夫が行き届いている。

 各章のテーマは「“6人の隔たり”が届かない所はない」「小さな世界で大きなことを」「あなたがつながりたい相手が誰であっても」「最初の一歩をバカにするな」「“2人目”があなたの価値を決める」「最もキーとなる人物はお客様だ」「コミュニティを突破して自分の人脈レベルを上げろ」「自分を高めて、自分の人脈の“磁場”を強化しろ」「6人のつながりの“金の蔵”を作り上げろ」となっている。

 本書のポイントは「6人の隔たり」を証明することではなく、あくまでこの法則が成り立つという前提で「いかに会うべき人と会うか」「人と付き合うコツはなにか」ということを述べる実用書である。

 実用書といっても、表面的な技術よりも「人とうまく付き合うためにはどのような自分でいるべきか」を考える内容になっているため、われわれ日本人にも十分楽しめる内容になっている。中国人的実利主義と人づきあいを通した人生の在り方を考える良書である。

 次週からは本書から参考になる部分を取り上げて紹介していこうと思う。本書には「人脈とは単なる人と人をつなぐ“線”ではなく、網のようなもので、われわれの心の深い部分でつながっているものだ」「成功とは他人と内面世界の豊かな感情のつながりから来るものだ」というような興味深い表現も多い。次回以降にご紹介する内容にも期待していただきたい。

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