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胡・温体制発足の年、SARS騒ぎとイラク戦争に揺れた

片寄浩紀=日本国際貿易促進協会 相談役
2012/08/08 00:00
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中国経済六法の誕生

 1979年7月に制定公布された中外合資経営企業法、いわゆる合弁法が外国企業にとって業務上不可欠な中国法令の第一号であった。その後対外経済法令が次々と中国で作られた。当協会はそれらを日本語に翻訳した「中国経済関係法令集」を1980年代半ばから毎年出版してきた。

 2001年WTOに加盟した後、中国ではWTOのルールに合致させるために大量の既存法令が改正された。日本語で読める中国法令集に対する必要性が急速に高まった。そこで当協会は大手法律事務所である森総合法律事務所(現森・濱田松本法律事務所)の射手矢好雄弁護士らの協力を得て、2002年11月に日本初の本格的な中国法令集「中国経済六法」2003年版を誕生させた。現在も重点事業としてその出版を継続している。

胡・温体制発足とSARS

 毎年3月に開かれる全国人民代表大会(全人代)は中国の政治経済活動の節目である。2003年の全人代(3月5~18日)はとりわけ世界から注目された。前年11月の中国共産党第16回党大会で江沢民氏に替わり胡錦涛氏が総書記に就任しており、全人代で胡錦涛国家主席と温家宝国務院総理の新体制が発足したからである。そして全人代が終わるやいなや、20日に米国が対イラク戦争を発動し、4月上旬には中国で新型肺炎SARSの蔓延が明らかにされた。6月24日に世界保健機構(WHO)がSARS終息宣言を出すまでの3カ月、中国は必死の防疫活動を展開した。この期間、日中間の人事往来は基本的に中断した。

東京の山が見たい男

 往来中断直前の4月18日、当協会の協力により広州市が東京で自動車部品産業誘致説明会を開いた。市政府は広州を華南の自動車産業の中核都市にするという明確な産業政策を打ち出し、すでに日本のホンダ、日産自動車を誘致しており、トヨタも天津に次いで広州への投資を決めていた。この説明会では陳明徳副市長が熱弁をふるった。

 この説明会の先遣組として広州市国際投資促進中心の葉堅氏が来日した。葉氏は二つのことで私を驚かせた。一つは、ホテルの自室に専用の電話とファックスを設置したことである。関係日本企業への説明会への参加要請を自分でも積極的に行うためだという。実務は協力機関にお任せきりのやり方が多い中で、葉氏の態度は新鮮であった。もう一つは、説明会直前、唯一自由時間がとれる土曜日を利用して「東京の山や川や農村が見たい」と言ってきたことだ。奥多摩から青梅まで多摩川をハイキングした後、自宅に招き近く農地や農家を見てもらった。

 この説明会を契機に当協会は広州市国際投資促進中心との業務提携を行い、日本企業の広州への進出を促進した。

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