日本企業のすり合わせ能力、柴田友厚著、3,360円(税込)、四六判、178ページ、エヌティティ出版、2012年1月
日本企業のすり合わせ能力、柴田友厚著、3,360円(税込)、四六判、178ページ、エヌティティ出版、2012年1月
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 擦り合わせは、日本製造業の強さの源泉といわれてきた。だが、電機を筆頭に製品のモジュール化が進む中、日本の企業はその強みをうまく生かせなくなっている。

 それでは、擦り合わせによるものづくりをやめるべきなのか。「そうではない」と著者は述べる。日本の企業は、あくまでこの固有の能力を生かした方がよいという。

 ただし、擦り合わせ能力の適用先を変えなければならない。これまでのようにあらゆる製品を擦り合わせによって開発するのではなく、製品の「デザインルール」を決めるために擦り合わせ能力を活用する必要がある。

 本書では、デザインルール作りの成功事例として米Intel社や、かつて著者が在籍したファナックの事例が紹介されている。そこから、日本の企業が今のモジュール化時代を勝ち残るための一手が見えてくるのではないだろうか。

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