技術経営 技術者が知っておきたい経営と市場の最新情報
 

電力料金が毎日変わるダイナミック・プライシング、生活にどう影響

志度 昌宏=日経BPクリーンテック研究所
2012/06/27 00:00
印刷用ページ

 「明日の午後1時から4時にかけて、特に電気代が高くなるんだって! 家にいるとエアコンやテレビでお金がかかるよなあ。よし、皆で涼しいところに出かけちゃおうか」――。こんな暮らし方が定着するかどうかを確かめる実験が、北九州市でこのほど始まった(写真1)。「北九州スマートコミュニティ創造事業」の一環として進められている「ダイナミック・プライシング」の実証実験である。

写真1●地域節電所の始動スイッチ投入の様子
2012年5月26日の式典において実証実験が始まった。スイッチを押すのは左から、橋本孝之 日本IBM会長、北橋健治 北九州市長、牧野聖修 経済産業省副大臣、明賀孝仁 新日本製鐵常務取締役、奥野嘉夫 富士電機取締役執行役員副社長。右側は北九州市の環境マスコットキャラクターの「ていたん」
[画像のクリックで拡大表示]

 ダイナミック・プライシングでは、需給状況の変化に応じて電力料金を日々、変動させる。限られた供給量に対して需要が過大になるであろう時間帯の電力料金を上げることで、電気を使う人の節電行動を促す。供給側から需要調整をうながすデマンドレスポンス(DR)と呼ばれる手法の一つである。

 電力料金の上下に応じて、多くの一般消費者がどのように行動するのかは実は意外に分かっていない。そこで、供給側の狙い通りに家事や外出の予定を変えてくれるのか、あるいは変えてもらうには料金をどのくらい変化させればよいのかを確かめる必要があるのだ。

 このダイナミック・プライシングに先行して導入されるのが、時間帯別の料金制度である。電力各社が2012年夏の節電対策として導入することを決めている。例えば東京電力の「ピークシフトプラン(ピーク抑制型季節別時間帯別電灯)」や関西電力の「季時別電灯PS」などがある。いずれも7月~9月までの平日午後1時から午後4時までをピーク時間とし、東電の場合は、昼間の26.53円に対しピーク時は44.6円、関電の場合は昼間20.62円からピーク時は52.82円にまで高める。

 これらの制度では、電力需要が高まる日中の料金単価を高くすることで、ピーク時より昼間、昼間よりは夜間に電力使用がシフトすることを期待する。適用期間中の電力料金は一定だ。これに対し、ダイナミック・プライシングでは考えを一歩進めて、発電量と使用量を予測し、需給バランスに応じて電力料金を変動させる。発電量が同じであっても、需要が高ければ電力料金は高くなるし、需要が低そうならば電力料金は安くなる。

【技術者塾】(9/16開催)
開発・設計者必修の購買コストダウン術

~コストダウン効果の高い開発購買と購買業務の基本テクニック~


設計と購買に精通した開発購買のプロが、開発・設計技術者に向けてコスト削減活動の重要性と活動への心構え、機能購買、有利購買の考え方・進め方、コスト分析技術、価格を決める交渉術など、開発購買を効果的に進めるために必要な購買知識を分かりやすく解説します。 詳細は、こちら
日時:2015年9月16日(水)10:00~17:00
会場:Learning Square新橋(東京・新橋)
主催:日経ものづくり
コメントする
コメントに関する諸注意(必ずお読みください)
※コメントの掲載は編集部がマニュアルで行っておりますので、即時には反映されません。

マイページ

マイページのご利用には日経テクノロジーオンラインの会員登録が必要です。

マイページでは記事のクリッピング(ブックマーク)、登録したキーワードを含む新着記事の表示(Myキーワード)、登録した連載の新着記事表示(連載ウォッチ)が利用できます。

協力メディア&
関連サイト

  • 日経エレクトロニクス
  • 日経ものづくり
  • 日経Automotive
  • 日経デジタルヘルス
  • メガソーラービジネス
  • 明日をつむぐテクノロジー
  • 新・公民連携最前線
  • 技術者塾

Follow Us

  • Facebook
  • Twitter
  • RSS

お薦めトピック

日経テクノロジーオンラインSpecial

記事ランキング