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55型有機ELに手厳しい技術者

佐伯 真也=日経エレクトロニクス
2012/06/20 10:00
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図1 展示会場の入り口にあった、「50th Anniversary Display」の展示。下にあるのが東芝の32型液晶テレビ
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図2 「Liquid Crystal」の歴史年表(拡大しても文字は確認できません)
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 2012年6月3~8日に開催されたディスプレイ関連で世界最大の国際学会「2012 SID International Symposium, Seminar & Exhibition」(SID 2012)に参加しました(特設サイトはこちら)。「あと1日ボストンに滞在すれば6月9日の松坂大輔投手(ボストン・レッドソックス所属)の復帰試合だったのか」と後悔しながら帰国し、7月9日号の解説記事や6月29日開催予定のセミナーに向けた準備を進めている状況です。

 50回目という節目の年を迎えたSID。このため、会場のあちこちに記念となる展示が見られました。展示会場の入り口には、「50th Anniversary Display」と称したショーケースを設置。東芝が製品化したオーバードライブ駆動を導入した32型の液晶テレビをはじめとする開発品が展示されていました。

 さらに、シンポジウム会場の通路にはディスプレイの歴史年表をポスターが張られていました。私とTech-On!の田中副編集長が確認した限り、「Milestone Chart」と題して「CRT」技術を、「50 Years of SID Symposia」と題して「Liquid Crystal」「AMLCD」「Plasma」「EL and OLED」「Projection」技術を展示。ディスプレイ技術別に研究開発の歴史がまとめられていただけに、私自身、「よくできた資料だなあ」と感じるほどでした。

ムラがあるね


 
 とはいえ、これらの記念展示に足を止める技術者は少なく、SID 2012に花を添える程度だったといえます。技術者にとっての関心は、やはり最新のディスプレイ技術なので仕方がないのかもしれません。

 ここから真面目な話になりますが、今回のSIDで最も注目を集めたのは有機ELでした。韓国・台湾メーカー各社が量産を目前に控えた開発品を披露または発表したこと、開催直前にシャープと半導体エネルギー研究所が中小型の試作品を披露したこと、ソニーや東芝がフレキシブル対応品を開発したことなど、とにかく話題に事欠かない状況でした。

 中でも、技術者の耳目を集めたのは、韓国のLG Display社とSamsung Mobile Display(SMD)社が展示会に出展した、2012年に量産予定の55型有機ELテレビ。両者が並び立ったのは、2012年1月に開催された「2012 International CES」以来のこと。CESの際よりも“目の肥えた”技術者がその画質を確かめるべく足を運んでいました。

 55型の有機ELテレビの映像を見た技術者の多くは、「ついにここまで来たか。大型有機EL、いよいよ離陸だね」と感慨深げ。ただし、「韓国メーカー2社の55型品はムラがある。韓国Samsung Mobile Display社製は有機EL素子、韓国LG Display社は酸化物半導体TFT起因のムラだね、アレは」と手厳しい。ご指摘の通り、注意深く見ると多くの人が確認できるレベル。展示会向けではなく実際の地デジ映像を映し出して見てみたい思いに駆られます。

 さらに別の技術者は、「やっぱり量産に向け相当苦労しているみたいだ」と続けます。展示会向けのベスト・サンプルでムラが確認できることを考えると、本当の意味での量産には時間がかかるかもしれません。SID 2012のビジネス・カンファレンスで、米DisplaySearch社でSenior Vice Presidentを務めるPaul Semenza氏は、55型の有機ELテレビの価格を8000米ドルと予測します。発売の際の生産台数によって、両社の量産技術の確立具合をうかがい知れるかもしれません。

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