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中国で人気の低価格スマートフォン、世界市場に与える影響を読む

黄 勤穎=工研院IEK 産業アナリスト
2012/06/19 12:00
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 中国Xiaomi Tech社(北京小米科技)は、業界最高クラスの性能を海外大手メーカーの製品の半額という価格で実現したスマートフォンを、2011年下期に世界同時発売した。この製品は中国で、予約受付34時間で販売台数30万台という記録を打ち立てた。中国の大手携帯電話機メーカーのZTE社(中興通訊)やHuawei Technologies社(華為技術)に比べると市場シェアは小さいが、「高性能のスマートフォンは高価である」という常識を覆し、「高性能でありながら低価格なスマートフォン」を実現して旋風を巻き起こしている。2012年、低価格スマートフォンはこれまで以上に中国市場を席巻している。中国の携帯電話機ブランド会社と世界の大手ブランド会社が積極的に商品を開発・投入しており、販売台数は7700万台に達する見込みだ。特に、1000人民元台(約1万2500円)の携帯電話機が最も注目を集めている。

中国の通信事業者が低価格スマホで3Gの普及を推進

 中国政府は、2009年に3件の3G通信の営業免許を発行した後、3年かけて3Gネットワークを建設、最適化した。この結果、中国の3Gネットワークはすでに全ての都市、県、市および一部の地方を網羅しており、その利用者は急速に増えている。2011年における中国の3Gユーザー数は1億2800万人に達し、その普及率は13%を突破している。中国の3大通信事業者は3Gユーザーの規模と普及率の拡大を継続するため、続々と様々なスマートフォンを発売して、3Gサービスの利用を促している。消費者のスマートフォン購入のハードルを下げるため、低価格スマートフォンを主力機種としたうえに、さらに携帯電話補助金を付けるプランで販売促進をしている。こうした取り組みにより、2012年の中国の3Gユーザーは大幅に増加する見通しである。

 中国China United Network Communications Group社(China Unicom:中国聯通)は、2011年に「1000人民元台のスマートフォン」というコンセプトの3G製品を積極的に発売している。中国のZTE社(中興通迅)、Lenovo社(聯想集団)、Coolpad社(酷派)、Huawei Technologies社(華為技術)、Amoi社(夏新科技)の5社と提携して、OS「Android」、3.5型ディスプレイ、600MHzのCPU、300万画素のカメラを搭載し、価格を1000人民元以下に抑えたスマートフォンを発売した。この低価格戦略が功を奏して、スマートフォンのニーズは大幅に増加した。このうち4機種の販売数はすでに100万台を突破している。China Unicom社(中国聯通)の3Gユーザーを急増させるとともに、中国における低価格スマートフォン市場の成長の幕開けとなった。

 そして2011年末、China Unicom社(中国聯通)はさらに「1000人民元スマートフォン」の定義をリニューアルし、高性能でありながら価格競争率を持つ低価格スマートフォン8機種を発売した。これらの提携ブランド会社は、上述のCoolpad社(酷派)、ZTE社(中興通迅)、Huawei Technologies社(華為技術)、Lenovo社(聯想集団)、Amoi社(夏新科技)、および中国 Hisense Group社(海信集団)、中国TCL社(TCL集団)、オランダRoyal Philips Electronics社(飛利浦)である。販売価格はいずれも1500人民元を下回っている。しかも、そのスペックは4型ディスプレイ、1GHzのCPU、500万画素のカメラにそれぞれ上がっている。2012年も、2011年下期の力強い需要が続くと期待されている。

 中国China Telecommunications社(China Telecom:中国電信)もまた、2011年8月に「大画面型1000人民元3Gスマートフォン」というコンセプトのもと、3.5型ディスプレイ、600MHzのCPU、販売価格1000人民元前後の低価格スマートフォン4機種を発売した。Huawei Technologies社(華為技術)、ZTE社(中興通迅)、Coolpad社(酷派)およびLenovo社(聯想集団)と提携している。その後も提携ブランド会社に米Motorola社などを加え、1000人民元という価格帯のまま画面サイズを4型に大型化した機種を多数発売している。

 中国China Mobile Communications社(China Mobile:中国移動)は、3Gサービスに独自のTD-SCDMA技術を採用している。開発リソースが少なく、半導体チップのサポートも少ないなどの状況もあって、TD-SCDMAスマートフォンの発売時期が遅くなった。このため2011年半ばになってからようやく低価格スマートフォンの調達が集中的に始まり、最終的に落札したZTE社(中興通迅)、Huawei Technologies社(華為技術)、Coolpad社(酷派)、韓国Samsung Electronics社、Motorola社の5つのブランド会社によって2011年末から出荷が始まった。一部の機種にはAndroidが搭載されたが、多くの製品にはChina Mobile社(中国移動)の独自のOSである「Ophone」が搭載されている。これらの機種はいずれも携帯電話テレビ方式「CMMB(China Mobile Multimedia Broadcasting)」に対応している。2012年、China Mobile社(中国移動)の端末目標販売台数は6000万台であり、このうちスマートフォンの占める割合は50%を超える見込みである。「1000人民元スマートフォン」というコンセプトを強調しており、同コンセプトに基づく製品が主要販売機種になると予想されている。

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