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ファーウェイ急成長の謎を解く(3)

永井麻生子=おあしすランゲージラボラトリー代表
2012/07/02 00:00
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今回紹介する書籍
題名:解密華為
編著:余勝海
出版社:中信出版社
出版時期:2011年9月

 今回は『解密華為(ファーウェイの秘密を解きあかす)』の3回目。

 前回お伝えしたように、今週はファーウェイの海外戦略について紹介するのだが、その前に本書でたびたびファーウェイを形容するのにつかわれる「土狼」という言葉について説明しておきたい。日本語では「つちおおかみ」といい、ハイエナに似た哺乳類だという。創業初期のファーウェイは「土狼」という言葉で形容される。

 ところが2006年になると任正非はファーウェイの企業文化を変化させようとする。「土狼」から「獅子」への転身だ。「土狼」時代は、成長がファーウェイにとっての最優先課題であった。しかし「獅子」に求められるものは、ハイエナのようななりふり構わぬ餌への執着ではなくバランスの良い全体的な「力量」だ。

 では、その2006年にファーウェイで起きたことは何だったのか。年表によるとこの年の12月、ファーウェイは全世界の市場に向け多数のソリューションを売り出している。グローバル化をより推し進めるための企業文化の変容だったのだろうか。

 ここでファーウェイの海外戦略の軌跡を追ってみよう。本書によれば1996年3月、ファーウェイは正式に国際市場の開拓、という道を歩み始めた。ファーウェイが当時最初に目指した「海外」は、中国復帰目前の香港だった。世界的に有名な電信事業者や設備サプライヤーが集まるこの地は世界でも有数の「電信業の集積地」だった。1996年に富豪として有名な李嘉誠のグループ傘下の「和記通信会社」と組んでプログラム電話交換機を武器に世界市場へと打って出たのだ。

 しかし、それまでシーメンスが幅を利かせていた香港で、全く異なるファーウェイの交換機を使うのは大きな冒険だった。最初のうち、和記のシステムとファーウェイの交換機が合わずこのままでは折角の提携も水泡に帰す、というところまで来たが、社員の必死の努力により何とか成功にこぎつけた。

 その後1998年には欧米に進出をはじめたが、最初から順調だったわけではない。たとえばロシアでは2年間利益が出なかったという。

 しかし、2000年から2004年までの間に国外での売り上げが18倍にも伸び、2004年には売上高55.81億ドルのうち、国外での売り上げが総売り上げの41%を占めたという。その後も順調にグローバル化を進め世界第2位にまで上り詰めたのは前述のとおりである。

 では、どうやってそのような快進撃を続けたのか。筆者がなるほど、とおもったのはファーウェイの幹部・李傑の次の言葉である。

 「1996年以来我々は毎年数十回もの最高レベルの国際的展示会に参加してきました。機会さえあれば自らを世界の舞台の上に乗せ続けたのです。」最初から最高レベルの展示会でもまれること、そしてもまれ続けることが今日のファーウェイを作ってきたのだろう。

 以上、3回にわたりファーウェイの発展の秘密を『解密華為』から読み解いてきた。次回は、改革開放の開始から30数年経ち多くの中国企業で大きな課題となるであろう後継者問題について本書の見解を紹介していきたい。

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