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要チェックの中国の女性セレブ(3)

永井麻生子=おあしすランゲージラボラトリー代表
2012/06/11 00:00
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今回紹介する書籍
題名:你一定要认识的30位财智女性
編著:秦江涛
出版社:中国紡績出版社
出版時期:2011年10月

 今週は『你一定要认识的30位财智女性(あなたが知っておくべき30人の“財知”女性)』の最終回。今回は「技術者に役立つ」というテーマから少し逸脱して「いまどきの中国らしい」女性社長を紹介しようとおもう。

 今回取り上げるのは李玟陽。1981年四川省成都市生まれ。現在の資産額一億元以上。ご存知の方も多いと思うが中国では80年代に生まれた若者を「80後(パーリンホウ)」と呼んでおり、一人っ子政策と経済の急成長の恩恵を受けた世代とあって、以前より「責任感がない」「ぼんやりしている」などという負の評価を受けることが多かった。その一方で豊かさを享受して育った世代だけあり様々な分野で活躍する人材も現れている。

 今回取り上げる李玟陽はまさにその80後で、その経歴も本書で紹介されているほかの女性とは異なっている。まず、彼女の生家は裕福であった。この点だけを取っても大変「80後」的だ。しかし、彼女は単に親の資産を受け継いで「財智女性」と呼ばれるようになったわけではない。

 彼女の生い立ちを見てみよう。彼女は4歳の時すでに版画で日本で行われた芸術展で2位という好成績を収めている。また運動、学業ともに優れ15歳の時には四川省のある大学の金融専攻に合格しており、当時、同専攻に合格した最年少記録だったという。

 1999年に大学を卒業したあと、彼女は中国建設銀行に入行するが、決まった時間に出勤する暮らしに耐え切れず、3日で嫌になった。そんな彼女を見て父親は不動産販売代行会社の内勤事務を勧めた。しかし彼女は自ら望んで営業部門に勤めることにした。その時点で彼女はすでに自分の特性をよく理解していたというべきだろう。その会社で彼女は水を得た魚のように仕事をこなし、半年後には担当部署の責任者になり、成都の同業者の中ではちょっとした有名人だったという。

 しかし、このことは彼女が資産一億を超える「財智女性」となったことと直接は関係ない。彼女の成功の始まりは2000年に親に内緒で人生初の投資をしたことだった。成都市の繁華街、塩市口にアパレルショップを開いたのだ。多くの女の子と同じように彼女は流行の服を売るショップを開くのが夢だった。親に黙って60m2の店を借りたのだ。

「そのころ、このあたりのお客は若い子ばっかりだったんで、ブランドイメージショップにして流行の服を売ろうと思ったの」

 彼女はたびたび香港や広州に行き、商品を探してきた。半年後、店の経営が軌道に乗ってから、両親はほかの人の口から娘がアパレルショップをやっているのを知らされたのである。彼女によるとアパレルショップの開店資金は自分の貯金と友人からの借金で賄った。友人からは10数万元借りたという。彼女は自分の夢をかなえただけでなく、このショップで相当な金額を稼いだ。店の名前は「伊洋」。開店一年後に手放すときには彼女の下に百万元近い利益を残してくれた。

 次に彼女は貿易会社を立ち上げ、医療機器の輸出入をはじめとし、電気設備、工場の自動化などの設備を扱い始めた。その会社を経営している時期に彼女は彼女にとって歴史的なプロジェクトを完成させる。成都のある企業がある汚水処理のプロジェクトを完成させると、彼女はその中の重要な役割を担い、数か月のうちに数千万元を稼いだのだ。その後も彼女はセメント会社、オークション会社などに手を広げていく。

 2005年彼女は自らのオークション会社を通じてあるレストランを手に入れる。金沙遺跡(2001年に発見された殷、西周、戦国時代などの文物が出土した遺跡)から数百メートルのところに位置する店だ。彼女はこの遺跡をイメージした「金沙宴」というブランドを確立し国内外からの客を多くひきつけ、一年余りのうちにこの付近での有名店になったという。

 彼女はこのように硬軟両面の事業で大きく羽ばたいている。これこそ、まさに今までの中国のイメージとは異なる80後的事業展開と言えるだろう。このように本書は1940年代生まれの地道に成長してきた女性と時代の波に乗って大きく飛躍する若い女性という今の中国に共存する全く異なる人生を我々に紹介してくれているのだ。

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