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工業生産の拡大でプラント輸入を積極化した中国

片寄浩紀=日本国際貿易促進協会 相談役
2012/05/23 00:00
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倍々ゲームで拡大した日中貿易

 1949年に新中国が成立してから1972年の国交正常化までの民間貿易の時代に、23年をかけて日中貿易額はやっと9億ドルに達しただけであった。ところが正常化後は、72年11億ドル、73年20億ドル、74年33億ドル、75年38億ドルと毎年ほぼ倍々ゲームで貿易が拡大した。

 政治関係の正常化があってはじめて経済交流は発展するという「政経不可分の原則」がみごとに実証されたと言えよう。中国向けプラント(生産設備一式)輸出に対する日本輸出入銀行の融資が適用されるようになった。身近なことで言えば、ビザが東京で取得できるようになり、訪中する毎に一次使用のパスポートを取得する必要がなくなり、通常のパスポートが使えるようになった。

 貿易が増大した具体的な原因の一つは、国交正常化により日本側の貿易の担い手が一気に拡大したことにある。限られた企業がさまざまなリスクに立ち向かいながら日中貿易に取り組んでいた正常化以前と異なり、全ての日本企業が対中貿易事業に参入することが可能になった。

 商社をはじめとする日本企業が相次いで北京事務所を設立するようになり、商談の場は広州交易会から次第に北京へ移行していった。また、米中関係の好転に伴い、それまで使われることのなかった米ドルが決済通貨として使われるようになった。

主役は鉄鋼、機械と原油

 貿易上特筆すべきことがある。74年4月に大慶原油の輸入が始まったことである。中国が戦略物資ともいえる原油の対日輸出に踏み切ったのも国交正常化の結果であった。当協会が組織した日本中国石油輸入協議会及び国際石油の2窓口を通じて、年間1000万トンを超える中国原油が輸入されるようになり、対中輸入の最大品目になった。

 1970年代に日中貿易を押し上げたもう一つの分野はプラント輸出である。文化大革命により停滞した工業生産能力を拡大するために、中国は日本はじめ欧米諸国から各種プラントを積極的に輸入する政策を実行した。72年から76年にかけて日本からは化学繊維、火力発電、エチレン、ポリエチレン、アンモニア等のプラントが相次いで輸出された。

 1978年の日中貿易額は50.8億ドルとなった。輸出30.5億ドルのうち鉄鋼、機械、化学品がそれぞれ54.1%、20.8%、14.6%を占め、輸入20.3億ドルのうち原油は37.4%、食料品16.6%、繊維及び繊維製品15.7%という構成であった。

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