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【ブランドの要諦:その5】「エクスターナル・ブランディング」--相手に届き、心に響く、ブランド発信の方法論

岡崎 茂生=北京電通
2012/05/15 08:00
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モーターショーはクルマとブランドの品評会

 4月23日、第12回北京モーターショー(中国語では「北京国際汽車展覧会」)が開幕しました。23日はプレスデー初日で、朝一番から各メーカーともVIPやメディアを招待して新車発表会を華々しく実施しました。私もブランドコンサルティングのクライアントである某中国メーカーに呼ばれて参加してきました。会場の「北京中国国際展覧センター新館」附近のロジスティクスの悪さ(交通規制やサインボードの不備、遠く離れた駐車場と会場を結ぶシャトルバスのわかりにくさ)に閉口しながらようやく会場に入ると、プレス限定で入場者は少ないはずなのに異様な熱気が立ち込めていました。特にメルセデスやフォルクスワーゲン・グループ(アウディやランボルギーニを含む)には多数のメディアがつめかけていました。

 23日、24日の「China Daily」紙もさながら欧州クルマメーカー・ジャックにあったような有様で、メルセデス、BMW、フォルクスワーゲンが新聞本体の外側をコート紙のカラー広告でラッピングしています。中国は世界最大のクルマ市場であると同時にグローバルメーカーの生産拠点でもありますから、世界中のメーカーが力を入れるのも当然です。日本メーカーもエコカーを武器に存在感をアピールしていますが、特筆されるのは今年3月からトヨタが始めたブランドキャンペーンです。鉄腕アトムをキャラクターに展開するこのキャンペーンは、純粋に「TOYOTA」ブランドに絞ったコミュニケーションが特徴です。通常の広告は、一汽トヨタや広汽トヨタが出稿する商品広告ですが、「雲動計画」と銘打たれたこのキャンペーンは、ハイブリッドエンジンや顧客サービスなど6つのTOYOTAバリューに焦点を当てながら、ブランドの認知とイメージ向上を目指しているところが異なります。アトムも登場した23日朝の記者発表は、ランボルギーニのSUVやベントレー、マセラッティなどのブースが人気を集める北京モーターショーの中では異質に感じられましたが、中国市場でのTOYOTAブランド活性化への意欲は見て取れました。

 4月25日には中国サッカー協会主催の「2012年・東芝足協杯」の記者発表&組み合わせ抽選会がありました。これは「スーパーリーグ」と呼ばれる中国プロサッカーのレギュラーシーズンのリーグ戦に加えて昨年から始まった、日本の天皇杯に似た「カップ戦」で、東芝が冠スポンサーとなっています。若年層を中心に幅広く東芝ブランドの認知を高め、中国スポーツ界への貢献を通してイメージ向上を図っているのです。このように、激戦区中国市場で生き残るために日本企業はグローバル企業・中国企業に対抗してブランド力強化のための施策を打っています。今回は、企業や商品が外向けにブランドを発信するための手段を紹介していきます。

 カリフォルニア大学バークレー校のDavid A. Aaker名誉教授はブランド論の第一人者で、電通が2002年に顧問に迎えて以来、私も彼の知見から多くを学び、また真摯で探究心旺盛な人柄に感銘を受けてきました。アジア各国でAakerさんとジョイントで実施したブランドセミナーは何物にも替え難い経験です。彼は1980年代からブランド戦略を独自に理論化して有名になり、多くの著作を世に出しています。ブランドは古くからある概念ですが、それをBrand IdentityやBrand Equityなどの切り口から実践的に理論化し、ブランド構築とマネジメントの方法論をモデル化したのは彼の大きな功績です。そのAaker理論の一つが、今回紹介するブランドを強くするためのブランド活性化の方法論です。彼はそれを「Brand Energizer」と呼んで体系的に整理しました。私はそれを若干アレンジして、(1)商品(2)広告・プロモーション(3)スポンサー(4)シンボル(5)プログラム(6)語り部(7)共感(8)口コミ(9)体験(10)一体感――に分類しています。以下、順を追って説明していきます。

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いずれも10:00~18:00
会場:京王品川ビル セミナールーム(東京・品川)
主催:日経テクノロジーオンライン
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