競合他社よりも圧倒的な商品力、サービス力でビジネスを優位に進めることが難しくなっています。そうした中、改めて関心が高まっているのが企業ブランドです。「応援したくなる会社」として認知されるかどうかは、企業業績に大きく影響を与えるようになりました。

 とはいえ、「応援したくなる会社」になるのは大変です。莫大な広告費を投じてマスメディアに露出しても、流行のSNSを通じた口コミに頼ろうとしても、なかなか思惑通りの反響は得にくい。そもそも企業側が自らの企業ブランドを消費者に刷り込もうという行為そのものが、ネガティブなイメージを与えかねません。結局、人をその気にさせるのは、本気で取り組んでいる人そのもの、まさに人のつながりであり、個人と個人の対話なのです。

おもてなしの気持ちがつながる

 日頃の会社の仕事だけではなく、アンテナが向く方向を少し変えることで、仕事でぶち当たった課題を解決する糸口をつかめる可能性が開けてきます。とはいえ、ここまで紹介してきた企業のようにNPO団体と戦略的に協働を進めている企業は、まだまだ少数です。そうした中で先鞭を付けていくのは個人しかありません。自分の会社での業務に関連しなくても、興味が少しでもあれば、「部活」として社外の活動に参加することはプラスに働くことがある。「部活」を楽しむことが、自分が所属する企業にも貢献するのならば、大きな価値があるのではないでしょうか。

 ソーシャル・リーマンズの「部活」が、会社の業務に貢献するイメージが湧いてきたでしょうか? 別にキッカケは会社での課題を解決することである必要はないのです。少し視野を広げて部活をすることによって、たまたま会社の中で考えているだけでは具体化できないような解決策を得て、会社に貢献できるという方が自然でしょう。一人ひとりの活動は小さくても、個人が持つスキルを社外に広げるようにする活動が増えることで、世の中で大きな変化が起きる可能性を感じられたとしたらうれしいです。