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日本メーカーの製品だからといって、メンツには繋がらない

山谷 剛史=中国・アジアITジャーナリスト
2012/04/12 09:00
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 筆者が拠点とする内陸省の省都の繁華街に、日系メーカーのテレビの広告が大きく掲載された。別の日系メーカーは、繁華街に特設テントを設け、自社のテレビの特価キャンペーンをした。沿岸部の北京や上海で、数年前によく見られた光景だ。

 日本とは異なり、中国やその他の新興国では“認知”や“買えること”が大事である。中国の農村部の街々では、Haier(ハイアール:海爾)をはじめとした中国メーカーの販売店しかない。ある地域ではHaier社の店しかないから、その地域で稼働する家電のほとんどがHaier製という村もある。沿岸部から内陸部まで、大都市から農村部の小さな町まで広くカバーしているからこそ、中国メーカーのシェアは高い。中国ではなくインドの話になるが、インドの薄型テレビ市場では、Samsung Electonics社やLG Electronics社の韓国勢を押さえて、ソニーがトップシェアである。インドの大都市を巡ると、SamsungやLGの販売店はそれほどないことが分かる。むしろ、ソニーの販売店はよく見かける。

繁華街の特設会場でのテレビ販売
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家電量販店まで配布されるテレビのチラシ
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 家電は、メーカーの代理店が販売するため、売られる製品のメーカーは限られる。一方、携帯電話機は家電とは流通が異なるため、携帯電話ショップがNokiaやSamsungやソニー(Sony Ericsson)などの外資系メーカーの製品はもちろん、いわゆるニセモノも含めて様々なメーカーの製品を販売する。携帯電話機においては、中国メーカーの市場シェアは低い。

 従って、内陸部の都市で広告や特設キャンペーンを展開することは(筆者としても読者としても今さら感はあるが)、「遅すぎて意味がない」というわけではない。消費者としては“購入の選択肢”が増えるのだから。

 ただし、インドにおけるソニーの薄型テレビの成功と、中国における家電やデジタル製品の広告展開では、事情が異なる。インドにおいては、これから液晶テレビを買う“新中産階層”が増えてくるといわれている。一方、中国の都市部においては、内陸部と沿岸部にかかわらず「買いたい人は既に買っている」という消費力を持っている。

認知されるメーカーは広告展開がしっかり
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 Skyworth(スカイワース:創維)であれHisense(ハイセンス:海信)であれ、中国の地場メーカーは、「中国製品の品質は悪い」という印象が根付いた、マイナスの状態からスタートした。その中で、中国メーカーは先んじて特設テントを儲けたり、巨大広告を展開したりした。広告を見て、「でも中国メーカーでしょ?」と振り向かない人もいれば、「まあ買ってみるか」と振り向く人もいる。買って使ってみたところ「意外に壊れないじゃないか」となったら、「悪くはないよ」と口づてで親族・友人・知人に伝えていく。ほぼすべてのネットでの評価がカネで買える中国では、口コミの信頼度は非常に高い。

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