日産自動車は、2種類のデザインレビュー(DR)を使い分けることで、効率的に不具合の未然防止を図っている。1つは通常のDRに相当する「Full Process DR」、もう1つが従来との変化点・変更点に着目して短時間に問題点を洗い出す「Quick DR」だ。そのQui ck DRについて解説したのが本書である。
Quick DRは、「DRBFM」(Design Review Based on Failure Mode)と呼ぶ品質管理手法を基にしている。レビューの対象となる機構や技術に対してリスクアセスメントを行い、新規性が一定レベル以下であればQuick DRが妥当だとして、DRBFMで具体的な変更内容を評価する。
本書では、このQui ck DRを中心に、日産の品質に対する考え方からDRの進め方、実際のQuickDRの実施手順と適用事例などを惜しみなく開示している。設計品質に心を砕く技術者にとって大いに参考になる一冊といえる。