新次元への競争

 近年、ともにグローバル企業に成長した両社は、競争の戦場が新規事業の開拓へと移った。システム側の通信設備メーカーから変身し、スマート端末やクラウドに大きく力を入れて、ICT総合メーカーへと進化している。

 歴史が再現されるように、両社のこれからの成長分野はまた同じだ。そしてこれまでと同様に成長の道も平坦ではない。そこには、既にアップル、Samsung、ノキアなどの強敵が存在する。いままで、B2Bの通信設備世界においては、ファーウェイとZTEは快進撃ができた。スマホなどB2Cがメインである市場において、過去の成功が再現できるか疑問もある。しかし、両社の勢いからみれば、その可能性は十分あると予想される。

 International CESに続いて、2月末にバルセロナで開催された「MWC(Mobile World Congress 2012)」においても、ファーウェイとZTEは、大きな展示スペース、盛大な端末発表会、バルセロナ市内の大きな広告掲載など、さまざまな場所でその勢いが目立った。実際の展示においては、ファーウェイは世界で初の10インチのクアッドコア・タブレットを発表、ZTEは「Tegra3」搭載のスマートフォンをはじめタブレットなどもハイエンドなモデルを披露など、その内容には目を引くものが数多くあったという。

 ファーウェイとZTEが、スマート端末やクラウドに参入することで、業界構図はどう変わるのだろうか。そのドラマはまだ始まったばかり、新たな競争は待ったなしだ。