始終グローバル競争にさらされる

 両社の競争は、中国の国内市場だけで行われているわけではない。両社だけでなく、ほかにも強い相手が多くいる。当然、創立してから現在まで、グローバルな競争を強いられている。

 ここでのグローバル競争は二つの意味がある。一つは、創立したときから国内市場においては、既に中国に進出した外資系の通信大手とのグローバルな競争をしなければならなかった。もう一つは、国内市場だけではなく、真のグローバル市場でのグローバル競争だ。つまり、中国国内市場においても、海外市場においても、2社間だけの競争ではなく、常に、エリクソン、ノキア、シーメンズ、ルーセントなどの大手グローバル企業と戦わなくてはならない。 

 グローバル競争においては、相手は欧米のグローバル企業だけではなく、同程度のコスト力とサービス力を持つ中国企業がいるので、両社は中国企業も意識しなければならない。そのため、提供サービス保守の期間ができるかぎり長く、設備の値段をできるだけ安くすることが求められた。また、同時に、技術でリードするグローバル企業が存在するので、技術力のレベルアップも大きく力を入れなければならなかった。結果的に、欧米勢を抑えて、お互いに入札の可能性が高くなるとともに、技術力も年々アップしている。両社の間で勝ったとしても、海外勢に勝たないと意味がないので、価格競争だけといった悪循環の競争を避けることができた。

 両社は中国国内市場の拡大がある程度落ち着きつつある中で、早くも海外市場への展開を開始した。まずは、国内市場の戦略と似ているアフリカや南米など発展途中国から始めた。SamsungとLGに関しても、韓国市場が小さいため、早い段階から海外へと展開し、グローバル市場の競争で成長した。これによって、小さい市場での悪環境での競争を相当避けることができた。世界は広く、未開拓の市場はまだまだある。大きな舞台では、力を存分に発揮できるのだ。

 両社での競争はほとんどは暗黙の内に展開されているが、法廷の訴訟までいたるケースもメディアでは報道されている。例えば特許の権利侵害で、お互いに欧州で相手を告訴したことがある。しかし、通信業界では特許侵害訴訟が多いので、特に注目されていなかったようだ。

 ファーウェイとZTEは、通信設備業界のSamsungとLGの存在のようだ。ファーウェイとZTEの参入で、この20年間、通信設備市場の構図は大きく塗り替えられた。Nortelは経営破綻、LucentとAlcatelは合併へ、シーメンズとノキアは通信設備部門を分離し、そして、分離された通信設備部門が合併へ…。

 熾烈な競争の中でともに成長した大きな原因は、戦う舞台が中国国内に限らず、グローバルの広い舞台を主戦場としたことだ。