さて、パーツショップが生き残れる根本的な理由として、前回も書いたが、中国のPCパーツショップが各メーカーの代理店となっていることがある。100台以上のデスクトップPCの一括導入が必要なネットカフェやコンピュータ学校などのニーズに応えるのが一つ。また、電脳街周辺の住宅や古いビルにはオンラインショップを運営する個人や小企業が多数集まる「隠れ電脳街」があり、オンラインショップが注文を受けたときにオンラインショップ店員が近所の家から電脳街の代理店に買いにやってくる。中国でもオンラインショッピングは価格、スピード、それにサポートが命。内陸の都市のショップだろうと、その都市の周辺からの住民からの注文はあるため、結局、リアルにおいてもオンラインにおいても広東省や上海や北京にショップが集中することはない。

隠れ電脳街のショップ1
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隠れ電脳街のショップ2
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 デスクトップパソコンを持って電脳街に入れば、どの店も「故障したらうちにおいで」と声をかけてくる。つまり「故障したんだから、故障したパーツをまるごと交換しましょう。店で交換しますよ」というアピールである。そうした修理目当ての客に対応して生計を立てている、というのもある。マザーボードがおかしければパーツフロアの「ASUS」や「GIGABYTE」などのマザーボード系代理店を探し、電源がおかしければ電源専門の店やケースの店を探して相談するのが最も安全な手法だ。

 また、原因不明の故障ないしは、時間がないので修理をまるごと原因分析からしてほしいという人は、電脳街の「電脳医院」なるパソコン修理屋に向かう。1000円程度の作業代とパーツ代で交換してくれる。「開けるな危険」な電源なども開けて修理するほど、なんでもござれ。液晶モニターが割れても、代わりのパーツに交換して対処してくれる。修理時に使うパーツの在庫は、やはり電脳街のメーカー代理店から仕入れる。