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エディターズ・ノート

3シリーズで希薄燃焼をやめたBMW社

  • 林 達彦=日経Automotive Technology
  • 2012/02/21 12:00
  • 1/1ページ

 ドイツBMW社が小型車の刷新を進めています。既に日本市場でも「1シリーズ」に加えて「3シリーズ」も新型が登場し始めました。3シリーズでは、パラレル式のハイブリッド車を投入するのも大きな話題ですが、通常車のエンジンも大きく変わっています。

 これまで、1シリーズや3シリーズでは自然吸気の希薄燃焼エンジンが主でした。“リーンバーン”とも呼ばれるこのエンジンは、燃焼室内の混合気と空気の割合を理論空燃比とする通常エンジンと異なり、薄い混合気を燃やすことで燃費を稼ごうというものです。日本では2010年秋から導入し、排気量2.0Lの3シリーズセダンの例では10・15モード燃費を27%向上させました。

 ところが、新型の1シリーズや3シリーズは、いずれも希薄燃焼エンジンから撤退。1シリーズは排気量1.6Lの、そして3シリーズは2.0Lのターボチャージャ過給付きの理論空燃比のエンジンになったのです。BMW社といえば、直列6気筒のエンジンが滑らかな回転によってトレードマークともなっていましたが、この6気筒に設定されていた希薄燃焼エンジンも4気筒ターボエンジンへと置き換えが進んでいます。希薄燃焼の適用から数年足らずで、方針を変えようというのです。

 2005年当時に、BMW社のパワートレーン戦略を取材したときには、自然吸気エンジンの直噴希薄燃焼化と、理論空燃比での直噴ターボの採用を進め、究極的には希薄燃焼の直噴ターボを目指すという方針を聞きました。希薄燃焼を中断した理由は正確には分かりませんが、排ガスのNOx(窒素酸化物)が増えるため専用に搭載したNOx吸蔵還元触媒では厳しくなる排ガス規制への対応が難しいからのようです。世界的には、様々な地域で異なる排ガス規制に適合させることが必要になりますが、理論空燃比のエンジンに統一したほうがそうした対応がしやすいとの説明がありました。

 希薄燃焼エンジンは、かつて三菱自動車などが直噴により実用化し、燃費の面ではメリットがありましたが、燃焼室におけるすすの付着や排ガス対策の難しさから徐々に少なくなりました。BMW社やDaimler社ではピエゾ式のインジェクタや、スプレーガイデッド方式という新しい成層化技術により、再びこの方式に挑みましたが、BMW社は理論空燃比を使ったターボによるダウンサイジングへと舵を切りました。

 現在、「SKYACTIV」技術における自然吸気、高圧縮化を進めるマツダも究極は、断熱した希薄燃焼エンジンを目指しています。マツダによれば、空気過剰率を大幅に高めればNOxは減るため、排ガスの後処理が不要にできるといいます。ただ、そうした空気過剰の混合気は点火プラグでは燃やせないため、HCCI(均質予混合燃焼)のような新たな燃焼形態が必要と考えています。エンジンの世界では、常に燃費と排ガスの両立が課題となり、これは今後も続くでしょう。登場しては消える希薄燃焼エンジン、次回の登場にはマツダの力が試されそうです。

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