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HOMEスキルアップマネジメントブランドで攻める~日本発、中国へ。世界へ。 > 【ブランドの要諦:その3】「アイデンティティ」~未来の自分を定義する

ブランドで攻める~日本発、中国へ。世界へ。

【ブランドの要諦:その3】「アイデンティティ」~未来の自分を定義する

  • 岡崎 茂生=北京電通
  • 2012/02/21 08:00
  • 1/3ページ

自分の未来は自分で創る

 アメリカのプロ・バスケットボールリーグ「NBA」はNew York Knicks所属のJeremy Lin選手の大活躍に沸いています。台湾出身の両親の間にロサンゼルスで生まれ、ハーバード大学を経てドラフト外でNBAの世界に入ってきたLin選手はアメリカでは「台湾系アメリカ人」と言われますが、ここ中国のメディアでは「ヤオ・ミン選手引退後の中国人スター選手」ともてはやされています。

 2月14日のオバマ大統領との会見を皮切りに精力的にアメリカ要人との会談を行なっている中国次期国家主席と目される習近平氏。New York Times系のグローバル紙「International Herald Tribune」では、特にバイデン副大統領が歯に衣着せぬ物言いで中国の外交・経済・人権政策に注文を付け、またアイオワ州での昼食会の雰囲気も硬いものだったと報道されていますが、こちらの新華社系英字紙「China Daily」の記事では主語は常に習氏で、アメリカ相手に堂々と渡り合っていると報道されています。インターネットのおかげで世界中の情報を得るのは楽になりましたが、どのメディアのどの視点から事実を解釈していくか、読む側の視野の広さと深さが試されるようになっています。

 2月10日、出張先の香港で読んでいた「South China Morning Post」に、Lenovoの2011年度第3四半期(9月-12月)の総利益が前年比54%増の1億5300万米ドルに、パソコンの世界市場シェアはLenovo史上最高の14%に達したとの報道がありました。前回紹介したNECとの提携やドイツのMedion社の買収などが貢献した成熟市場での売り上げが前年比81%伸び、同時に中国国内市場シェアも過去最高の35.3%を記録、株価も過去最高水準近くまで戻して来ているとのことです。2004年12月のIBM/PC部門買収から一気にグローバルステージに駆け上がったLenovoの次なる標的は世界シェアトップのHPただ1社となりました。

 未来の夢へ向けて突き進むLenovoを引っ張っているのが総裁の楊元慶氏です。彼は事業戦略やブランド戦略を統率しているのみならず、IBM買収後は自らノースカロライナ州ローリーへと移住し、本社機能を同地に移して役員の大半もIBMから受け入れてLenovoを経営面からもグローバル企業へと変革しました。事業戦略面では主力のPC事業に加えて早くから同社の組織で言う「MIDH(Mobile-Internet-Digital-Home)」に注力し、2012年にはスマートテレビの市場導入も準備しているようです。レノボの夢である世界市場制覇とグローバル・エクセレント・ブランドの確立は、自ら最前線に立つ楊総裁のビジョンとリーダーシップ、そしてそれを支える士気の高いグローバル・チームによって進んでいるのです。

 では、カリスマ的リーダーがいないと強いブランドはできないのか、というとそんな事はありません。カリスマ性はなくともビジョンと情熱を持つ優秀な人材が集まれば体系的にブランド戦略を構築して着実に実施することが可能です。今回は、そのような「普通の人が知恵を出し合って作る」ブランドの目標像の定義の仕方をお話ししたいと思います。

ブランドの核心価値の定義のお手本

 未来を見据えてブランドの本質を定義するといっても、文章やビジュアルを用いた詳細な説明からワンフレーズの要約まで様々な形式があり得ます。もちろん詳細な記述は必要ですが、ここではブランドの核心価値、つまり「あなたのブランドを一言で言い表すと?」を考えてみます。と言ってもなかなか難しいですから、こんな時一番手っ取り早いのは優れた実践例を知ることです。

 例えば、ディズニーは自分達の核心価値を「Fun Family Entertainment」と規定しています。これはディズニーのブランドイメージであると同時に事業の定義でもあります。ディズニーはテーマパークや映画・ライブエンタテインメント以外にもテレビ局やオンラインショッピング、旅行など事業の多角化を進めています。しかし、この規定から外れることは決して行ないません。何故なら「Fun Family Entertainment」こそがディズニーの事業とブランドイメージの一貫性と求心力の源泉だからです。この規定に忠実である限りディズニーの商品・サービスもブランドイメージも顧客の期待を裏切ることはありません。

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