こんにちは。前回に引き続き、またまた「かなりあ社中」の塚本です。(前回のコラムはこちら

 前回は、さまざまな専門家がNPO(非営利組織)や中小企業などを無償で支援する取り組み「プロボノ」について、説明しました。「プロボノとは何か」「サラリーマンとプロボノは、どんな関係があるか」といった話を中心に、プロボノの歴史や考え方を、このコラムの主題である「ソーシャル・リーマンズ」と“我田引水的”に結び付けてみました(笑)。(「ソーシャル・リーマンズが行く!」のFacebookページはこちら

 でも、まだまだプロボノの新参者である私は、原稿を書きながらある体験を思い出し、ふと疑問を持ちました。

 以前、会社の仕事で関西に出張した際、ある人物と名刺交換しました。その人物は「初めまして、塚本さん。実はね、私、こういうこともやってまんねん」と、名刺入れから別の名刺を出してきたのです。

阪神タイガース私設応援団○○支部団長

 いただいた名刺には、そう書いてありました。

 「あんた、良かったね。僕がタイガース・ファンで。東京から出張で来てるの知ってるでしょ。もしも熱烈なジャイアンツ・ファンだったらどうすんの?」と思いましたが、これは事の本質ではありません。

本業と同じように重要なもの

 2枚目の名刺をいただいた時、この人物にとっては、「私設応援団」という活動が本業の会社と同等に重要なものなのだと感じました。結局、そのインパクトでこの人物の容貌を今でもハッキリと思い出せます。

 疑問を感じたのは、「この私設応援団の社外活動は、プロボノなのだろうか」ということです。サラリーマンでありながら、社外に「別の顔」を持っている人は世の中に多く存在します。草野球のエースで4番のチーム運営者だったり、PTAの世話役だったり。私の近所の小学校にはPTAの父親の会、その名も「オヤジ会」という会が存在します。この会の目的は親睦だけではなく、地域の商店街やコミュニティーの支援活動も手掛ける社会貢献にあります。いずれもボランティアです。

 これらがプロボノ活動であるならば、もうプロボノは世の中で当たり前。そんなことを長々と書くことに意味があるのか。そんな疑問が天から降ってきました。悩みが深くなってきたので、「なぜ自分がプロボノを始めたのか」を初心に帰って考えてみることにしました。

 私がプロボノ活動を始めたキッカケは、「プロボネット」というプロボノ団体に入ったこと。この団体は、スタートアップ企業や中小企業、NPOにさまざまなコンサルティングを無償で提供しています。