2月の大型液晶パネル価格は横ばい、様子見の継続か
年が明け、2012年1月の大型液晶パネルの用途別価格変動幅は、2011年12月に続きノート・パソコン用とモニタ用のパネル価格が前月比ステイ(図1、一部の付加価値パネルは小幅下落)となった。一方、テレビ用は、CCFLバックライト搭載パネルが同ステイ、LEDバックライト搭載品などの高付加価値パネルは1%以下(1〜5米ドル以下)と小幅の下落で決着している(図2)(大型液晶パネル価格の詳細レポートはこちら)。
毎年の年末休暇に合わせた商戦は、北米のブラック・フライデーに始まり、中国の旧正月(春節)休暇で一段落となる。旧正月商戦のテレビの販売結果は、第一報では「まずまず」と伝えられているが、テレビ、パソコン、モニタともに期待を上回る台数の出荷にはならなかったもようだ。従って、当面は再び多くなったパネル在庫を適正水準に再調整するために、パネル調達量も計画より少なめで推移すると見られる。
先月の当コラムで「パネル価格の短期動向は旧正月商戦の結果次第」と述べたが(関連記事)、この状況で、セット・メーカーが労働節以降の商戦に向けて積極的な調達に動くとは考えづらい。そのような中、台湾の一部のメーカーが1月からテレビ用パネルの増産に転じたことで、供給は緩和した。この結果、テレビ用パネル価格が2〜3月に反転上昇するシナリオはほぼなくなった。
パネル需要は低調、価格は上昇しにくい
さて、2012年は、パソコンやモニタのメーカーにとって出荷量の増加が期待できるイベントが集中している。年の中頃から終盤にかけて、新CPUや「Windows8」の登場を控えている。そこで、セット・メーカーは現行機種用のパネル調達を必要最小限に抑えている。このため、新製品立ち上げのためのパネルの調達が始まるまでは、盛り上がりの期待できない状況が続くだろう。タイの洪水によるハードディスク装置(HDD)などの関連部品サプライ・チェーンへの影響については、一部に混乱は残っているものの、大手パソコン・メーカーは2012年第1四半期分のHDDをほぼ確保できたもようである。第2四半期以降も、大幅な需要変動がない限り、解消する方向だ。
テレビ用パネルについては、マザー・ガラス基板からの取り効率を改善した新しい画面サイズのパネルや、低価格LEDバックライト搭載パネルが登場したことで、この数カ月の価格動向に影響が出そうだ。例えば、39型を製造して37型パネルに近い価格が提示されると、37型パネルの価格だけでなく、サイズの近い40型や42型のパネル価格にも値下げ圧力の影響が及ぶ。また、一部のパネル・メーカーでは、以前よく見られた直下型バックライト品を復活させ、導光板を削除することで低コストのLEDバックライト搭載パネルを提供する動きも見られる。CCFLバックライト搭載パネルからのプレミアムは当初10%弱としているが、今後2012年末にかけては5%強まで縮小する方向である。
このように景気の先行き不透明感が台頭する中で、需要側は、当面のパネル在庫水準を維持する傾向にある。パソコン用パネルやモニタ用パネルは、第2四半期に向けた新製品用パネル調達前であり、需要は低調である。また、テレビ用パネルは、新サイズや低価格LEDバックライト採用パネルの登場により、価格の上昇しにくい状況が継続する。一方、供給側は、工場の稼働率を抑えつつ、製造ラインでの生産枠の調整で利益最大化を目指すものの、需要が弱く、稼働率が低い状況では、値上げの声も上げにくい状況だ。
従って、パネル価格は2012年第1四半期を通じ、ほぼ横ばいで推移する。その後、需要の季節変動と、パソコン用やモニタ用の新製品向けパネル調達が本格的に始まり、稼働率が上昇傾向に乗ると見られる4〜5月に反転上昇を開始するだろう。
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