LG Displayの2011年4Q決算:赤字縮小で2Q黒字化に光明、有機EL投資・量産の時期は明示せず
TFT液晶パネル大手の一角を占める韓国LG Display社が2012年1月27日に2011年第4四半期(4Q)決算を発表した。売上高は対前年同期比2%増、対前期比5%増の6兆6100億ウォン、営業損失は対前年同期比、対前期比いずれも赤字縮小の1450億ウォン(、当期損失も同じく対前年同期比、対前期比いずれも赤字縮小の60億ウォンである。売上総利益率は5.2%、営業利益率は−2.2%。ウォンの為替レートは1ウォン=0.069円(1月27日現在)である。
2012年第1四半期の主な見通しは、以下の通り。(1)出荷数量(m2)は顧客の在庫水準はまだ通常より低水準と見られ、例年の第1四半期よりも良い「対前期比横ばい程度」(Similar to Last Quarter)、(2)平均販売単価(ASP)は対前期比で安定的に推移する。
2011年4Qは健闘、2012年1Qの見通しは「例年より良い」が慎重姿勢
2011年第4四半期の工場稼働率は90%以上で、同社見通しの85%程度から上ぶれした。出荷面積(対前期比3.9%増)は見通しより若干上だが、平均販売単価(同3%減)は若干下で、売上高は想定線である。ガラス基板などの価格低下が追い風となり、売上総利益率は第3四半期の2.9%から5.2%へ回復した。営業利益は−1450億ウォン、営業益率(OPM)は−2.2%に改善している。製品では、相対的に好調だったのがテレビ向けと「iPhone」向け、低調なのがノート・パソコン向けやモニター向けなどのIT関連、およびタブレット端末(特に「iPad2」)向けだった。
2012年第1四半期の出荷面積見通し(対前期比横ばい)は合理的な線、工場稼働率の見通し(90%以上)は若干強気である。ドイツ証券(以下「当社」)では、第4四半期の投入面積実績は対前期比13%増と、需要の同6%増を上回ったと見ている。第3四半期まではパネルの投入・生産の伸びが需要の伸びを下回っていたため、2011年通年ベースでは投入が対前年同期比6%増、需要が同5%増とほぼ均衡となった。流通やセット・メーカーの在庫水準はまだ通常より低水準と見られ、2012年第1四半期のガラス基板投入面積は対前期比2%減と例年の第1四半期より強めの推移と見ており、これは同社の見方と同様である。
55型有機ELの投入決定、ただし本格量産は2014年を想定
LG Display社のコメントは、(1)酸化物半導体基板、白色有機EL蒸着の量産準備はできた、(2)量産設備への投資時期は未定。新工場建設と既存工場の改造という選択肢がある、(3)新工場の場合に必要な投資資金は同規模の液晶パネル工場の2.5倍、既存工場であればその半分で賄える、(4)投資決定から量産までに必要な期間は18カ月程度、の4点である。
液晶業界全体への影響
フラットパネル・ディスプレイ産業全体に対する見方はポジティブと考える。2012年に関しては、パネル面積需要を対前年同期比15%増(在庫水準正常化のため、最終製品需要より大きな伸びになると想定)と予想する一方、当社稼働率前提に基づくパネル生産は対前年同期比15%増と拮抗している。LG Display社が提示した2012年のパネル需要面積成長率も15%増、そしてパネル需要の伸びは在庫補充のためセット需要(テレビ向けで対前年同期比5%増の2億2000万枚)を上回るという見方も、当社の見解と一致していた。
一方の生産能力は、2012年の増加率(2012年のフル生産能力÷2011年のフル生産能力)は対前年同期比8%増に過ぎない(同社も「+1ケタ台の伸び」とコメント)ものの、生産可能面積の増加率(2012年のフル生産能力÷2011年の当社稼働率前提に基づく生産面積)は対前年同期比35%増を上回る。基本的には、2012年いっぱいは大幅な供給能力過剰の局面が続き、パネル・メーカーが第2四半期まで稼働率を85%以下に抑制すると仮定して、第3四半期に需給が改善すると想定している。
ただし、2011年第3〜第4四半期にかけて、一部を除く大半のパネル・メーカーが生産を実需以下に抑え在庫圧縮に努めた。その結果、流通在庫、セット・メーカーの在庫水準が正常水準以下に下がるという形で成果が表れている。2012年6月までパネル・メーカーの稼働率が85%以下に抑制され、パネル価格が32型で135米ドルを超えなければ、大型パネル需給は2012年第3四半期に向けて徐々に改善を続けて行く可能性があろう。
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