未来をマネジメントする(2)
作者:曹俊杰
出版社:武漢出版社
発行日:2010年11月
今回も『経営未来 商政軍界的巨人们是这样思考的(未来をマネジメントする ビジネス、政治、軍隊の巨人はこのように考える)』をご紹介したい。 本書はいわゆる成功法則の本だが、内容は史実や稲盛和夫など中国でも人気の日本人企業家のエピソードから、名探偵ホームズの思考法まで実に様々な人物を登場させ、読みやすく「如何に考え、如何に行動することが物事を成し遂げるのに有効か」ということを分析している。それゆえ、目次を読んだだけでも大変勉強になる名言が並んでいる。また、本書はなぜか章に番号が打たれていない。そのせいか、それぞれの章のタイトルを読むと、独立した名言、格言のようである。以下、各章のタイトルを挙げてみよう。
成功は物事に対する徹底した理解から始まる。
対処法が解らない一番の理由は情報が足りないことだ。
計算は状況をよくする根本的な要素である。
変化を予測し、それを捉えることは、いかなる場合も成功の決定的要素である。
あらゆる角度から体系的な解決方法を手にいれよう。
智慧を使い策を練ることが解決法を見つける方法だ。
精密な分析から正しい行動は導かれる。
本書ではこの七つの法則に基づき、各章で詳しく「じゃあ、どうすればいいのか」という問いに答えていく。
例えば「成功は物事に対する徹底した理解から始まる」という章は大変分かりやすいエピソードから始まる。ある会社に3人の「仕事ができる」と自負しているエリート社員がいた。自らに自信があるのだから、3人とももちろん強気だ。それゆえ、3人とも何とか社長に直接会い自らの能力を知ってほしいと思っていた。彼らを仮にA、B、Cとしよう。Aは上品な性格で自らを売り込むのを良しとせず、黙っていても自分が見出されると思っていた。Bは積極的な性格で自らチャンスを作ろうと社長がエレベーターに乗る時間を調べ、社長と出会うことに成功した。が、Cはさらに上を行った。社長の行動を調べ、出会うチャンスを掴むところまではBと同じだったが、Cはチャンスを掴む方法を考えるだけでなく社長の履歴、知識、価値観、性格、人付き合いの仕方、果ては現在の関心事に至るまで調べ上げ、出会いに備えた。そして、これらのデータをもとにして簡単にして当を得た挨拶まで考えておいた。そこまでしてから、エレベーターでの出会いをしかけたのだ。そして社長と何度かあいさつを交わした後、ついにある日社長に呼ばれてゆっくりと話をした。そして、その後ほどなくして、Cはいいポストに異動になった。
このエピソードから以下のことが解る。「出世する」という目的に対してとった行動として、Aは論外である。本書では「ただの空想家」と切って捨てている。Bについては「行動してから考える」タイプだと断じており、彼のやり方も失敗だという。それに対しCは「まず戦術を練りその後に行動する」と評し、三人のうち最も聡明であるとしている。
読者の皆様も本書と同じような評価を下すであろう。何事もよく考え、徹底してやること、それが成功への近道であると本書は言っているのである。
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