「テレビの危機」を救うのは何か
『テレビは余命7年』、指南役著、大和書房、1,470円
テレビ局の出入り禁止覚悟で筆を執りました。今こそ、テレビというメディアの課題を洗い出し、先を占う総括が大切と思ったからです。2011年7月のアナログ停波をキッカケに、このままではテレビ局のビジネスモデルは立ち行かなくなる。そうした危機感から、テレビの余命を宣告したのです。 日本では、タレント本などは多く存在しますが、テレビというメディアの内実を正面から取り上げた本は少ない。テレビ局に出入りし、内実を良く知るライターやジャーナリストは、なかなかテレビというメディアそのものを批判しません。これは「何か報復があるかも」という怖さがあるからです。
私もテレビ業界に関係する者として,その思いはあります。でも、内容の濃い面白い番組を、汗をかきながらきちんと制作しているテレビ関係者が報われる業界になる一助になればと考え、本書を執筆することにしました。刺激的なタイトルの本ですが、愛のあるテレビ批判を展開したつもりです。実際、本を読んだテレビ局の関係者からは、好意的な感想を聞くことが少なくありません。
ザッピング対策がザッピング視聴を増やす皮肉
今、テレビ業界は構造的な危機に瀕しています。特に大きいのは、20歳代前半の若者を中心にテレビを見ない人が増えていることです。ケータイやパソコンは使いこなしても、テレビは持っていないという人すら珍しくない状況があります。いわゆる若者の「テレビ離れ」です。
そのキッカケの一つは、バラエティ番組の毎分視聴率を上げるため、テレビ局が1990年代に発明した演出手法にあります。CMの直前に「この後、とんでもないことが〜」といった「フリ」を入れ、CM開けに2分ほど番組をさかのぼって、それまでの流れをおさらいする、あれです。CM中に視聴者がリモコンでチャンネルを頻繁に切り替える「ザッピング視聴」の対策として、今では多くの番組が取り入れています。
導入当初こそ新鮮でしたが、各局ともに同じような内容の番組ばかりになり、演出の内幕は視聴者にばれてしまいました。加えて、毎分視聴率を気にするテレビ局では、じっくりと腰を据えて見る番組を制作しににくくなった。皮肉にも、ザッピング対策の演出が逆にザッピング視聴を増やした現実もあります。テレビ局の演出を信用しなくなった視聴者が、テレビから離れるのは時間の問題だったわけです。
では、どうすればいいか。
バックナンバー
- ものづくり英語の基礎を学ぶ 2012/05/12
- “稲庭うどん”に、 記者の執着を見た 2012/05/12
- 「意思決定者を出席させない」ルールをつくった 2012/05/06
- 「適材適造適所」を学ぶ事例集 2012/05/05
- 「安全工場」の最先端の取り組みを紹介 2012/04/28
- 選択は創造・発明だ 2012/04/28
- ちえづくり─新しいインクスの革新手法 2012/04/21
- じっくりと観察・分析し新たな仮説を生み出す 2012/04/14
- 製造業のための感動体験、顧客の心をつかんで売れるモノづくり 2012/04/14
- 数学の“おもしろ解説集”、人に分かりやすく説明する方法も学べる 2012/04/08
- JIT生産の課題解決への糸口 2012/04/07
- “自産自消”のエネルギーで今こそ日本の未来を照らしたい 2012/04/02
- 日産の品質に対する考え方を開示 2012/03/31
- ロボットの源流を見る 2012/03/25
- 「品質」を支える統計学の基礎 2012/03/18
- 内向き志向では生き抜けない、外の世界に目を向けよう 2012/03/17
- 生産性向上への道筋を具体的に示す 2012/03/06
- ヒトも、モノも、カネも「何もない」は最強のカードなり 2012/03/05
- 破壊的イノベーションをどうやって生むか 2012/03/04
- 月夜の晩ばかりじゃないんだぜ 2012/02/20
- 投稿者
- とや ひろし8057
- その記事は読みやすいが、それで完結しているように見える。
その記事で本が売れるのだろうか。
本を売るための記事なら、最後に、ほかのもくじくらい載せれば良いのに。
「まずテレビ局が視聴者を信用する必要」 という指摘が、もっともだ。
それなら B-CAS と録画複製回数の制限を廃止すべきだ。
レンタル DVD 等でドラマなどの一部から利益を得ているが、それはもともと国民の電波の周波数帯を利用できた結果であって、国民へ還元されるべきだ。
畑の作物を売らせろというのだから、その前にまず畑を売らせなければ、つまり電波利用料をオークションにかけなければ、そんな番組を売る資格が無い。
記事中に誤りなど,編集部へのご連絡にはフッターのご意見/ご感想・お問い合わせをお使いください。















