さらに広東省の業界筋によると、EMSの営業収益ランキングで世界上位3社に入るある大手が最近、広東省東莞市の工場入り口に掲げた求人の横断幕が、業界で話題になったという。そこに書かれていた内容とは、

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春節休暇が終わり帰省先から戻ってきた人材を確保するため江蘇省の蘇州駅前にカウンターを出して対応する台湾系エレクトロニクス企業の採用担当者ら(2011年2月撮影)

 「大量募集! 35~50歳までの字の読める人」というもの。

 通常、EMS/ODMの求人はライン従業員で17歳から28歳、上限は35歳とするケースがほとんど。学歴も中卒以上が最低ラインだ。「それを、年齢制限を大幅に緩和しただけでなく、読み書きができればOKというところにまで下げたところに、人手不足の深刻さが現れている」(先の業界筋)。

 こうした中、人集めに汲々とする企業側が、従業員から足下を見られているのでは? と思いたくなるような事態が1月初旬、フォックスコンで起きた。

 当社のウェブサイト閲覧には会員登録が必要2週間無料で読める試用会員も用意)でも「『賃上げなければ集団で飛び降り自殺する』フォックスコン武漢工場で100人がスト」として報じたが、1月2~4日にかけて、従業員が集団での飛び降り自殺をちらつかせて待遇改善を迫るという事態が、湖北省武漢の工場で発生した。

 中国、台湾各紙によると、武漢工場の従業員は約3万2000人で、デスクトップPCや米Microsoft社のゲーム機「Xbox」の生産を手がけている。今回の騒動が発生したのはまさにそのXboxの生産ラインで、工場側は同機の販売不振から生産ラインの停止を余儀なくされた。さらにこれに伴い、同ラインの従業員150人に対し、別の部署に異動するよう求めた。