半導体製造 プロセス技術や工場の動向を知るための
 

3次元LSIで、半導体製造における中国と世界の差は拡大

楊 瑞臨=工研院IEKシステムIC及び製造過程研究部マネージャー
2011/12/28 21:47
印刷用ページ

 2000年に中国Semiconductor Manufacturing International Corp.(SMIC:中芯国際集成電路製造有限公司)が設立されてからすぐに、Siファウンドリは中国半導体産業の発展の担い手となった。台湾の半導体産業の発展を象徴する台湾Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.(TSMC:台湾積体電路製造有限公司)のSiファウンドリのビジネス・モデルを学ぶことによって、中国の半導体産業チェーンの構築、および川上から川下にわたる産業クラスタ効果を促進することが期待されてきた。

 中国の半導体産業は、中国国内最大手のSiファウンドリであるSMIC社などの半導体メーカーの積極的な投資によって、一時は台湾に次ぐ世界第2位のSiファウンドリの生産拠点となった。中国Siファウンドリ世界市場シェアは、2006年には13.3%に達した。しかし,徐々に衰退し,2010年の世界市場シェアは10%まで低下した。2011年には9%以下まで下がると、われわれIEKは予測している。一方、台湾のSiファウンドリ産業を見ると、2010年にTSMC社の世界市場シェアは50%を超える50.3%に達した。台湾全体のSiファウンドリ産業の市場シェアは68%を記録した。絶対的な競争力優位の中で、2011年のTSMC社の市場シェアはさらに50.8%まで上昇すると、われわれIEKは予測している。

 2011年、SMIC社は会社運営に大きな影響を及ぼす経営権の争いが起こり,会社全体が不安定な状況に陥ってしまった。これまでのSMIC社の発展過程は中国Siファウンドリ産業の見本とも言えた。SMIC社が現在遭遇している難題は、今後多くの中国のSiファウンドリ企業が直面する課題ともいえるだろう。中国のSiファウンドリが成功できない要因はどこにあるのか。競争力不振の原因は何か。さらに重要なのは,中国Siファウンドリ企業は、今後再起する機会をとらえられるか否かである。本記事では、中国Siファウンドリ産業の過去10年の起伏を分析し、将来の動向を展望する。

中国Siファウンドリ産業の世界市場シェアは低下の一途

 2004~2010年の中国Siファウンドリ産業を見ると、SMIC社の市場シェアが5割を超えている(図1)。このため,SMIC社の業績の変動が中国Siファウンドリ産業全体に大きな影響を与えた。2004年は、中国Siファウンドリ産業にとって重要な分岐点となった。2004年を境に世界市場シェアの上昇が鈍化し始めた。さらに、2008年以降は競争力と市場シェアが下落した。

中国シェア
図1 2004~2010年の世界Siファウンドリ市場における中国メーカーのシェア
出所:工研院IEK(2011年11月)


 中国の主なSiファウンドリの売上成長率を、表1に示す。世界市場シェアがピークを迎えた2006年から2010年までの売上高の年平均成長率(CAGR)を示している。中国Siファウンドリ第5位のCentral Semiconductor Manufacturing Corp.(CSMC:中国上華半導体)が18.5%という高成長を遂げた以外は,世界のSiファウンドリの年平均成長率6.7%を下回っている。最大手のSMIC社にいたってはわずか1.5%の成長である。中国Siファウンドリ産業はこの10年で大きく変化しており、その背景を掘り下げて分析することは重要である。

表1 中国Siファウンドリ・メーカーの売上高
出所:工研院IEK(2011年11月)
[画像のクリックで拡大表示]

ここから先は日経テクノロジーオンライン会員の方のみ、お読みいただけます。
・会員登録済みの方は、左下の「ログイン」ボタンをクリックしてログイン完了後にご参照ください。
・会員登録がお済みでない方は、右下の会員登録ボタンをクリックして、会員登録を完了させてからご参照ください。会員登録は無料です。

【9月15日(火)開催】触るインタフェース(応用編)
~ウエアラブルと身体性から読み解く次世代インタフェース~


ウエアラブルデバイスで触覚情報を利用するための基礎と最新技術や、全身触覚と身体性に着目した新しい触覚インタフェースの新潮流について解説する。この分野に精通する3人の講師が、様々な研究開発例とその実装方法を紹介する。詳細は、こちら
会場:BIZ新宿 (東京・西新宿)

マイページ

マイページのご利用には日経テクノロジーオンラインの会員登録が必要です。

マイページでは記事のクリッピング(ブックマーク)、登録したキーワードを含む新着記事の表示(Myキーワード)、登録した連載の新着記事表示(連載ウォッチ)が利用できます。

協力メディア&
関連サイト

  • 日経エレクトロニクス
  • 日経ものづくり
  • 日経Automotive
  • 日経デジタルヘルス
  • メガソーラービジネス
  • 明日をつむぐテクノロジー
  • 新・公民連携最前線
  • 技術者塾

Follow Us

  • Facebook
  • Twitter
  • RSS

お薦めトピック

日経テクノロジーオンラインSpecial

記事ランキング